- ナノ -
9月22日

「…お前らも、随分でっかくなったんだな」
「なーにアスマせんせ、急にしみじみ言っちゃって」

下忍に昇格した祝いだと、やってきた焼肉屋でアスマは教え子達を見つめて感慨深く呟いた。

「何おっさんみたいなこと言ってんだ」
「おっさんみたいじゃなくて、おっさんなんでしょ」
「…失礼なガキ共だな、相変わらず」

こういうときばっかり意見を合わせるシカマルといのを見て、こっちの会話に加わる気もなく肉ばかりを頬張るチョウジを見る。つーかどんだけ食う気だこいつ。流されるまま奢ってやると言ってしまったが、手持ちがそんなにあっただろうかと今更ながらに冷や汗が出てくる。最悪つけとくか、と考えて紫煙を燻らせる。

「今よりもっとチビな頃を知ってるから、余計にそう思うのかもしれねェな」
「はあ?アスマが俺達のこと知ったのはアカデミー卒業してからだろ?」
「いや?そんなこともねェよ。シカマル、お前に関してはな」
「どういうこと?」

漸く興味を示したのか、チョウジは箸を止めた。いい機会だからこのまま会話に引き込んで食べるのを中断させてしまおう。アスマはぴっと煙草の先端をシカマルに向けた。

「お前のことは、ずっと前から知ってる。つーか、お前は覚えてないだろうが、会ったことがあるんだよ」

揃って首を傾げる三人に、アスマは口を開いた。




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