2011/10/24 09:21 ※先天性女体化(名前は廉) ※直接表現注意 ※生理ネタ 「なぁ志摩……ええか?」 さて、どうしようか。廉は大いに悩んでいた。 自分の上には愛しい人の身体、必死な顔。そして、普段なら断る理由なんてない、というよりも兼ねてから切望していたそのシチュエーションを掻き消す程の下腹部の違和感。ジワリ、ではなくドバッ、と断続的に吐き出される朱に廉は心の中で思いっきり舌打ちをする。 「あ……あんな、ぼ、んんうっ……」 膝を摺り合わせながら口を開けば、言葉を飲み込むように口付けられた。彼の接吻に慣れきったその唇は知らぬ間に彼の舌を招き入れていて、口からは甘い吐息が零れる。やがてやわやわと揉まれ始める胸。あまりに優しいそのタッチにこのまま流されてしまいたいと心底思うのだが、どうにもこうにもそうはいかない理由があるのだ。 「志摩、志摩、ええやろ、志摩が欲しいねん」 いつもとはちがう一等甘えた声を出して己の欲を露にする彼は愛しいし、可愛いとも思う。けれど。けれど、と廉は思うのだ。彼はどうしてこうもタイミングが悪いのかと。 「あきまへん」 廉はきっぱりと彼を跳ね除けた。愕然とした表情をする彼。廉は思わず泣きたくなる。ああ、ああ、そんなお顔をしんとって下さい。うちかて、ほんまは一等坊に抱いて欲しいんよ。うちの思いなんてほっといて、めちゃくちゃに抱いて欲しいんです。そう抱きしめて囁いてしまいたいのに。 「ぼん、あきまへんの……今日は、あかん。な、来週。来週になったら坊に廉の全部、捧げますさかい……堪忍しとくれやす」 自分の身体の周期をこれほどうらんだ事は無い。来週になったら、もともと淡白な彼は今日みたいに全力で自分を欲する事は無いかもしれない。今日が最後かもしれない、そんな思いがぐるぐるまわるけれど、だからと言って、今日彼を受け入れる事はやはり無理であった。 というのも、朱色がどくどくと溢れ出る、月に一度、いつよりも自分が女なのだと分かる週間、所謂月経という奴が廉を襲っているのだ。 おかげで腰は痛いし腹部も痛いし不愉快である上に、これだ。正直やっていられない。けれども、それもこれも彼の子を孕む準備期間だと思えばなんて事はなかったのだ。今日までは。 (なして、今日なんやろか。……ほんまに、うちのあほ) |