只今疾走中につき
綱吉と美香(とリボーン)
「うわっ、もうこんな時間!?行ってきます!」
今朝寝坊したオレは、慌てて家を飛び出す。
(獄寺くんにはお願いして先に行ってて貰った)
「ハア、ハア…間に合うかな…」
「間に合うかじゃねえ、間に合わせろ」
「アレ、気のせいかな…リボーンの声がしたような」
アイツが居る訳ないのに…
「わたしは此処よ」
「ぎゃあああああ出たァアアア!!!」
スクバからひょっこり顔を出すリボーン。
「何時から其処に居たんだよ!!?道理で鞄が重いハズだよ!!」
つかよく入ったな…
「そんなことよりツナ、時間はいいのか?」
「え、ってΣもうこんな時間!?」
「確か今日は風紀委員が居る日だぞ」
「Σ死亡フラグ来た―――っ!!!」
取り敢えず、猛ダッシュで学校に向かうオレ。
「ハア、ハア……あとちょっと…!!!」
目の前に見えた校舎に辿り着くまで、あとちょっと。
でも、そんなオレたちをあ嘲笑うかのように無常に鳴り響くチャイム。
風紀委員によって、閉じられようとしてる門。
そんな、あと30メートルぐらいだったのに…!!!
もう諦めてるオレの後ろから、ひとつの影が校舎に向かう。
『沢田くん、おっさきー♪』
「…っ、え?」
言うや否や、校舎に向かって走り出す。
そのまま閉まり掛けている校門の間を潜り、風紀委員の制止をさらりとかわし、校舎へと消えていった。
「あ、あれって同じクラスの美香ちゃん…?」
美香ちゃんってあんあに足速いの!?
「アイツ、ファミリーに欲しいな。ツナ、勧誘してこい」
「む、無理だよ!!!まともに話したこともないのに…」
そもそもファミリーとか要らないし!!!
「いいから、いけ」
「Σんな理不尽な!!!」
「沢田綱吉、遅刻っと」
「………あ゙」
颯爽と駆け抜けた風
それが、君と僕の出会い
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