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other ≫ 風紀委員長受

屋上にて快晴の下

※屋上の主と風紀委員長


また此処にいたのか。その言葉に、振り向いた。おまえこそ、またここに来たのか。そう言ったら、目の前にいる風紀委員長様はどんな顔をするのだろうか。少しだけ、興味がある。本当に言いたいのは別の事だが。

「あー、まぁ」

いい天気だし。と、言えば呆れたように笑われた。やりすぎると何らかの処罰を与えなければいけない。そう言いながら、俺の足もとに倒れている屍累々を見つめる目の前の男からは本当にそう思っている様子が感じ取れなかった。きっと、何故俺がこいつ等を伸していたのか、付き纏う噂でなく、本当の理由をこいつは分かっている。

「なに?」
「いや、お前はいつもそうだな」

自己完結したのか柔らかい笑みを浮かべ、倒れている奴等の制服を探り、生徒手帳を取り出すとメモに書きとめ、元の場所へと戻し始めた男の動きを、目で追う。相変わらず、無駄な動きをしないと思いながら。

「比良野<ひらの>」
「ん?」
「俺、比良野の事好きだ」
「………あぁ」

なんとなく、知ってた。そう言われ、その返しに力が抜ける。結構勇気出して言ったのにこの返しはどうなんだ。と、思っていれば、微かに奴の頬は赤く染まっていた。

「比良野?」
「絶対、言ってこないと思ってたんだが」
「………あー」

一体いつから勘付かれていたのか、或いは、最初からだったのか。

「絶対なんて、ないだろ」

そう言えば、驚いたように瞬きをした後、そうだな。と、笑いながら言われた。

「それで。お前はそれを、俺に言ってどうしたいんだ、可知<かじ>」
「………俺と付き合わねェ?」

じゃ、ないな。と、思いながら再度、俺と付き合って下さい。と、言えば比良野は意外にも、喜んで。と、そう言った。

2012.06.07
改題/移動 2013.04.22
「絶対好きにならないって思ってたんだがな」
「だから絶対なんてねーんだよ」
「そうみたいだな」
「…………(その笑顔は、反則だ)」


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