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086~090

2014/03/20
春夏秋冬/足りない/お遊戯会/然様なら/すれちがい

090:すれちがい
好きだよ。その言葉は黙殺した。俺もだと返した瞬間、これまでの何もかもが終わってしまうことを知っていた為に。伝えたくても伝えられない思いを抱えたまま、今日も自分の気持ちを誤魔化す。(なあだってお前は、同じ気持ちを返さない俺の事が好きなんだろう?)

089:然様なら
確かに、好きだったのだと、そう思う。今ではもう、それが本当だったのかは、分からなくなってしまったのだけど。
「本当に行くのか」
「うん。いい機会だしね」
唯一の友人にそう言えば、かすめ取るかのように唇にそれを重ねられた。
「な…」
「最後かもしれねぇし?」
笑いながら、楽しげに言われた。

088:お遊戯会
「どうして?」
「それは何にかかっているんだ?」
「なんで、かずま、が、」
「コイツは俺の番なのだからどうしてもなんでもないが?」
「そ、んなっ」
「―――ああ、なるほど。コレには困った趣味があってな。たまたまお前が来てたまたまターゲットにされ、たまたま、俺がコレの思惑に乗っかった、ただ、それだけの話だ」

087:足りない
じゃあ、ダメだよ。彼は柔らかくそう言った。僕が死んだら後追いしてくれる人じゃないと親友とは言いたくないし。恋とか愛とか、そういうことじゃないんだ。ただ、僕が死んだら後追いしてくれる、逆にその人が死んだら僕が後追い。君がおかしいって言っても僕と親友になりたいならそうするって言い切ってくれないと。

086:春夏秋冬
春になると死にたくなる男と夏になるとヒマワリを食べる少年と秋になると本に埋もれる青年と冬になると鍋しかやらない紳士の話



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