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濁水

2012/05/20
自殺志願者

彼はこの世界のすべてだった。僕は彼の為ならば何でもできた。(それこそ、人殺しだって、なんだって)けれどどうやら彼は僕に対して、そこまでの想いは抱いていなかったようだ。と、その事に気付いたのが、気付かされたのがつい数時間前。ドロリ。融け出した水が僕の事を溺れさせようとする。こういった時大抵、彼は僕の事を助けてくれた。だけどきっともう、彼は僕の事を助けてくれないのだろう。彼を雁字搦めにしようとした僕の事を、彼は嫌ってしまった。束縛するのもされるのも、嫌いなんだ。何故かって?女みたいじゃないか。彼の言葉が僕の中を渦巻く。ぐるぐるぐるぐる。きっとこの濁水は僕の事を飲み込んで、今度こそ僕の事を死に至らしめる。
(嗚呼、でもそれも悪くはない)


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