金曜日のこと。天気は曇り。細い路地裏を歩いていた。季節は夏などとっくに終わってしまい息が白くなるほどに寒いというのに小さく咲いている朝顔を発見。なんだか背筋がしゃんと伸びた。

この日のわたしは目が二重だったし、髪の毛も調子がよかったし、購買でみごとに最後の一個でチョコまんをゲットできたし、一度も授業中に先生にあてられることもなかったし、なんだかついていた。
今となるとそう思う。


でも。たまたま放課後に教室に残っていたのがわたしとSちゃんだったことはこの日の唯一の不運な出来事であった。
Sちゃんは声が大きくていつも悪口ばかり言ってはいるがわたしにはそれらはただの妬みにしか聞こえない。だから悪口ばっか言ってて楽しくなくない?と言ってみたのだけれど、だってさあ、とまた悪口を言い出す彼女をやっぱりわたしは嫌いじゃないけれど好きにはなれない。すぐに「だって」と言うひとがわたしはあまり好きくない。他人の嫌なところをあれやこれやと目敏く見つけては大袈裟に喚く憐れな彼女にマタイによる福音書の26章の52節を捧ぐ。

追記

綺麗なところだけ見ていたい

11月12日 土曜日



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