黒尾鉄朗生誕祭2014と銘打って
Twitterで書いていた黒夜久140字SSのまとめ
TETSURO Happy Birthday!!








女子達の間で魔法の言葉が飛び交う朝。それを横目に黒尾は朝食代わりのメロンパンを齧っていた。その時、夜久がやってくる。「トリックオア…」と言いかけた彼の言葉を遮って、黒尾は手に持ったパンを彼の口へ放り込んだ。そして、文句を言われるその前に、彼の手へチョコを一つ差し出した。



2014/10/31



布団に入って眠る直前、ふと黒尾の声が聴きたくなった。ほんの数時間前まで一緒にいたというのに。でも、どうしてそう思ったのかわからなかった。その日は不思議だなぁ、と思いながら寝た。翌朝、彼と教室で会うと無性に嬉しくて、毎日会ってるのに変だなぁ、と夜久はもう一度首を捻った。



2014/10/30



夜久と二人で帰る車内、目の前で一つだけ座席が空いた。互いに譲ると言ったので、らちがあかず、俺達はじゃんけんをした。夜久が勝った。その時、一人のお婆さんが乗って来た。「どうぞ」二人で声を揃えて言った。お婆さんはありがとう、と言って笑った。俺達も顔を見合わせて微笑み合った。



2014/10/29



「問題です!」夜久が顔の横で人差し指を立てる。「俺は今なにを考えているでしょう!」絶対あてられないから! と歯を見せ、楽しそうに笑っている彼に、俺は即答した。「俺のことだろ」と。はぁ? というわざとすぎる大声と真っ赤な頬を見るあたり、それはあながち間違いでもなかったらしい。



2014/10/28



茶色の猫を見るとついつい構いたくなってしまうのは、それが少し彼と似ているからだ。数学の授業が好きなのは、いつになく真剣な表情で問題を解いている彼の姿を見ることができるからだ。俺の"好きなもの"を辿れば、全て"彼"に行き着く。それは今も、そしてこれからもずっと変わらない。



2014/10/27



黒が好き、彼の瞳の色だから。洋食よりも和食が好き、和食が好きだと彼が言ったから。古典の授業が好き、枕草子を音読した彼の声がとても心地良かったから。自分の「好き」は、全て彼に繋がっている。彼の「好き」が自分に繋がっていれば嬉しいな。そんな子どもみたいなことをかんがえた。



2014/10/26



夏季合宿も半ばに差しかかった日の夜。主将という立場もあってか、自分で思っていた以上に疲労が蓄積していたらしい。寝たいのに眠れなくて、俺は何度も寝返りを打っていた。すると隣の布団からにょきりと手が伸びてくる。俺の手を握ったその手の主は、悪戯っ子のように茶色の瞳を瞬かせた。



2014/10/25



恋という言葉では既に語れないほどに積もり積もったこの想いを彼に伝えることは叶わない。ならば、せめて彼の小さな耳をこの穢れた両手で包みこんで、今にも溢れ出しそうな「愛」という名の激情を吐き出させてくれないか。ーー耳を塞いで愛を囁く。神様、どうか最後の罪をお許しください。



2014/10/24



今日の夜久はたいそうご機嫌らしい。風呂場から聞こえる鼻歌がそれを教えてくれている。ついさっき、彼が作ってくれた夕食を俺が褒めたからだろうか? ご機嫌で風呂に入っている彼の様子を想像して、俺は笑みを浮かべつつ、二人分の食器を洗った。色違いのマグカップが少し照れくさかった。



2014/10/23



寒い! と震えている夜久は、教室の中にもかかわらず、マフラーをぐるぐると巻いている。俺が暖めてやろうか、と冗談で聞いてみると、すごい勢いで睨まれた。そのくせ俺が席を立つと、不満そうに見上げてくるのだ。あえてそれには気付かない振りをして、俺は裏庭の自販機へと足を伸ばした。



2014/10/22





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