『嘘‥』
お風呂場から自室に戻ってくるなり、あたしは顔を青ざめさせた。
‥暖めておいたはずの、部屋が寒い。
ううん、どちらかというと‥それを通りこして、もはや“冷たい”。
『暖房、壊れちゃったよ‥』
よりにもよって、こんなに雪が降っている夜。
このまま自室で眠りにつけば、明日には風邪をひくこと間違いなしだ。
やらなきゃいけない仕事がたくさんあるから、休むわけにはいかないのに‥。
『っくしゅん!』
ぶるり。
くしゃみと共に、背中を冷たい空気がゾワリと走った。
これが合図となって、一気に身体中に震えが駆け巡り始める。
湯上がりの身体、というのも運が悪かった。
『や、やだどうしよう‥!』
小刻みに震える肩を両腕で抱きしめ、思わず座りこむ。
その時。
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