たまたまですが。

え、ちょっと待って。人いたの?扉の影にもう一人見える。二人も?というか人住んでたの?全然気づかなかったけど。

「アンタが、俺を…」

なんかよくわからんが、男同士で抱き合うのはちょっと暑苦しい…でも、多分感動の再開なんだろう。目を瞑って許そう。


「これも人間の気まぐれか。」

声が近くて目を開けると、数十センチの距離に人がいた。驚いて声も出んわ。

ねぇ、君のその肌日サロ?綺麗に焼けてるね。

「動じないんだね。さっきもだけど。」

飛び出してきたやつが俺を見る。こんな近いと動いたらどこかしら触れるって。初対面ではちょっと…

というか眼帯…その隠された目には何があるんだ。気になるー。

「…礼は言う。」

「いいよ、貞ちゃん。こいつだってすぐに、」

代わりに返事してくれたよ、この人。ありがたい。

「先程の、何故避けた。何故避けられた。」

褐色肌の人が刃先を俺の顎下に持ってくる。刃物をマイク代わりにするのはよくないと思う。

あと、その避けたって何。そんなもん知らんし、もしそんな事があったなら、

「たまたまだ。」

数秒間見つめあった後、刀をしまってくれた。でも、柄に手をかけたままだった。話そうとする度マイク代わりにしようとして。

よく見ると三人は刀をぶら下げている。てことは、この方達が刀剣男士、というやつか。初めて見たな。全員イケメンとは聞いていたが、本当だったようだ。かっけぇ。まず俺、

「刀は興味ない」 んだよなぁ。

刀について詳しく載ってる本とかあれば嬉しい。チュートリアルもやってないし、鍛刀やら手入れやら単語しかわからない。とにかく今は審神者の部屋を探さないと。

「待ってよ!」

ごめん、話してる暇はないんだ。聞こえないふりをして三振りの方へ振り返らなかった。

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