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今日も幸せだ。ぎゅーってかわいいなずなを抱きしめる。胸元に埋まっていた顔を上げたなずなと目を合わせ、それから…

ゴキッ

「…え?」

「ーっ?!」


あ、れ…?





「…あー、これ早くて1日、遅くて2、3日ってとこか。」

佐賀美センセーが呆れた顔で俺らを見た。

いや、もう本当に焦った。いつものように甘い雰囲気でキスしようとしたら骨が折れたんじゃないかってくらいなずなの首からヤバイ音が出た。

一瞬何の音か分からなくて固まったけど、なずなの叫び声と首を押さえた事で理解した。すぐに保健室に運んだ。この1年で一番速く走ったと思う。

「上下左右動かすと痛くなっからあんま動かさない方がいい。」

「はぁい…」

首に大きな湿布が貼ってある。元気なさそうに返事をしていた。

「ったく、なんで貴方達はいつも迷惑をかけて…アイドルとしての自覚が、」

「まぁまぁ、そこまでにしとけ。いいじゃねぇか。キラキラな青春送ってるって事だろ。」

「…はぁ。」

椚センセーがすごく怒っている。流石に言い返せない。正論しか言ってないから。背中が丸まってきた俺は注意され、次は首を痛めたなずなときた。

「気をつけてください。」

それでも別れろ、って言わない辺りは優しい人だ。佐賀美センセーも優しい。


「痛い?」

「…うん、ちょっとだけ。」

保健室を出て廊下を歩く。なずなは真っ直ぐ前を見ながら会話をする。今でも痛いなら、動かせばもっとか。痛そうにしているなずなは見てられない。

顔を見ようと覗くと背中を思いっきり叩かれた。

「痛い…」

屈むなってか。背中伸ばすとなずなの頭しか見えないんだよ。頭のてっぺんも永遠に見れるけどさ。

「ごめんね。」

「なんで晃輔が謝るんら。」

「…んー、なんとなく。」

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