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「ごっ、合コン?!」

「ん。」

「湊がっ?!」

「ん。」

フラフラと湊が座っているソファに横になる。湊が膝枕をしてくれた。改めて湊を下から観察する。

湊は無表情でテレビのチャンネルを変えている。無愛想で周りは笑ったところを見たことがないと言うほど表情筋が硬い。むしろ怒っているように見える。鍛え上げた身体で、高校では風紀委員をしていたと言っていた。似合いすぎる。

でも、俺の前でたまに笑ったり、力の加減がわからないというように優しく俺に触れる湊がかわいい。しかも恋人である俺だけに!好き…ってそうじゃなくて。

「なんでだよー…」

そりゃ、俺だってたまにやむを得ず渋々参加することもあるからなんも言えないけど。許してくれるし。

俺の声に気づいた湊が顔を下げて目を合わせる。前髪を掻き上げられ、くしゃりと俺の髪を撫でる。気持ちいー。

「人足りないって頼まれた。世話になってるやつだから、断れなくてな。」

…合コンなんて行ったことないじゃん。

「…ちゃんと、笑えるの。」

「うむ…早めに帰りたいしな。」

湊の微笑んだ顔を見て上体を起こす。身体を捻って身を乗り出すと顔の距離が一気に縮まった。

「っ俺も行くよん!」

「…は。」





こんなに楽しみじゃない合コン初めてなんだけど。今日で何度溜息が出そうになったことか。何が嫌って、湊が合コン参加するって噂で広まったのがホントにヤダ!!

『萩谷が合コンって大丈夫なのかぁ?』『女に飢えてんのかな。』『彼女募集中ってこと?!私行きたいかも!』

えぇーいうるさいうるさい!俺が恋人だぁああ!

「おい、何百面相してるんだ。」

「わっ、湊!」

スマホ片手に大学の玄関で待っててくれた湊。科が違うだけで1日中会わない時も多い。

待ち合わせもしたことなかったから、少し照れる。

「一成の参加、大歓迎だと。むしろ来て欲しいって。」

「まっかせといて!めっちゃ盛り上げてやんよ!」

できれば、早く終わらせたい。けど…

「……。」

「湊?」

「…やっぱり早く帰るには笑うことが必要か。」

「えぇ?」

顎に手を当てて考え込む湊。いや、逆に笑わない方がいいんじゃ…え、聞いてる?むしろ笑わないでほしいんだけど…!


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