▽ 2-1
カーテンの隙間から差し込む光の眩しさに目をこする。
・・・ん、朝?
変な体勢で寝たせいか身体中が痛い。
改めて部屋を見回すとそこは昨日と同じ部屋、寝て起きたら元の世界に戻っているという展開を期待したけどそんなに甘くはなかったようだ。
コンコンッ
扉を開くとそこには沖矢さんが立ってる。
「おはよう。少しは休めたか?」
声は赤井さんなんだ・・・沖矢さんの姿で赤井さんの声ってなんか違和感、ついついそんなこと考えてしまう。
「おはようございます。昨日は部屋を占領してしまってすいませんでした。」
頭を下げると、そんなことは気にしなくていい、ひとまず朝食の用意をしたから降りてくるようにと言われる。
赤井さんの後ろに続きながらキッチンに向かう。
ふと彼の後ろ姿を見つめながら思う。昨日はいっぱいいっぱいで気付かなかったけど本物の赤井さんが目の前にいるんだよね・・・、今から赤井さんと朝ごはんご一緒するってことだよね?
・・・・・夢みたいだ・・・・・・。
ずっと憧れてた世界で、大好きだった人達と会って話すことができる。言葉にすると現実とは思えない現状に思わず頬をつねる。
やっぱり痛い、夢じゃないんだ。
「君はいったい何をしているんだ?」
キッチンの前で頬をつねったままで固まっている私を赤井さんが不思議そうな表情で見ている。
「夢なのかなーって思ったので確認を・・・」
「・・・夢?」
ひとまず座るように言われ2人でテーブルにつく。目の前には赤井さんが用意してくれたで朝食が並ぶ。
「私この世界のお話が小さい頃からすごく好きだったんですよ」
席についた私は、紅茶を口に運びながら話を続ける。
「子供の頃はよく分からなかった内容も大人になって色々と考えさせられることも多くて。・・・・・・それに・・・・・・」
私は目の前に座る赤井さんをちらりと見る。
いや、無理だ・・・。かっこよすぎる。
なんで昨日は普通に話せてたのか自分でも分からない。1回でいいから会ってみたいと何回思ったことか・・・、そんな人が目の前にいるんだ。
でもこんな私の話を真剣に聞いてくれている赤井さんに「かっこよすぎて見惚れてました!ずっと憧れてたんです!」なんて言っていいものなんだろうか・・・思わず口ごもる。
「そこまで言いかけてやめられると逆に気になるんだが?」
同じように紅茶を飲みながら彼がこちらを見る。
「
・・・・・・っこよすぎて・・・・・・」
「ん?」
「・・・っ、ずっと昔から大好きだったんです!実際にお会いしたら想像以上に赤井さんがかっこよすぎてこれって夢なのかなって思っちゃって・・・・・・」
勢いのまま言ったものの恥ずかしくなり思わず両手で顔をおおう。
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