Patriot 07
翌日ルイネロが占ったところ、ドルマゲスは南の関所を通ってリーザス村へ向かったようである。エイト達も薬草などの補充が終わり次第、彼のあとを追うことにしたのだが。
「これはひどいでやんすね……。」
関所の門は真っ黒にこげついていた。ヤンガスの感想はもっともである。焼き落ちたのは門だけで、橋は落ちてないのが幸いか。
「姫、足元に気を付けてくださいね。」 「おそらくこれもドルマゲスの仕業なんでしょうけど。」
姫を気遣うエイトの隣でハイネは焼け残った柱を槍で叩き落としていく。門番もいたはずだが橋には彼ら以外の人の姿はない。血痕の量も多く、彼らが死んではないことを願うばかりだ。
エイト達がリーザス村にたどり着いたのは日が沈んだころだった。町に入って早々ポルクとマルクという少年に盗賊に勘違いされるトラブルに見舞ったが、村のお婆さんが彼らを止めてくれたおかげでことなきを得た。 どうやらこの村でも殺人事件がおきたらしく、この村の領主サーベルトが亡くなったという。彼が死んだのは村の外れにある東の塔で、そこにあるリーザスの瞳にはとても美しい宝石が使われているそうだ。そのため村では彼を殺したのはお宝を狙った盗賊ではないかという噂が流れており、子供たちはエイト達をその一味と勘違いしたのだ。彼らにとってはとんだとばっちりだが、子供たちも犯人捜しに躍起になるぐらいにはサーベルトも慕われていたのだろう。
「おそらくドルマゲスの仕業じゃろう。」
まだはっきりと断言はできないが、トロデ王は唸りながら言う。 住人の予想も当たっているならば、リーザス像の瞳にもトロデーン城にあった杖のように何か特別な力があったのだろうか。もしかしたらトラペッタのライラスの家にも何か重要なものがあったのかもしれない。
「エイト、ハイネ。明日になったら領主邸で詳しいことを聞いてくるのじゃ。」 「はい。」「わかりました。」
王の指示に二人は力強くうなずいた。
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