SSS!!
全てタイトルは
アナログワールド様よりお借りしてます
▼ありきたりな恋
手を繋ぐことさえままならない。
少し先を歩く男が笑いながら振り返れば鼓動が早くなる、そんなのは、ありきたりな恋と何も変わらない、のに。
「真ちゃん?どしたの?」
心配そうに頬に手を添えて、覗き込んでくるその瞳。
こいつとなら、沈んでいける。
罪悪感や不安を忘れさせる真っ直ぐな瞳にそう思った。
(初高緑)
▼代償の代償
今までのように頻繁に携帯を見なくなった。
毎日のようにかかってきた電話やメールが、激減した。
「ちょっと淋しいかも…です」
「別にいいだろ?今は一緒に住んでるんだから」
代償の代償
手放した携帯電話と手に入れたすぐに声が届く距離。
(福蒼)
▼未来(予測不可能)
喧嘩ばっかりしてた口が好きだと囁き、冷たく冷ややかだった視線が蕩けるように熱くなり。
「…信じらんねぇ」
握った手が振り払われることもなく、背に腕を回せば答えてくれる。
こんなにお互いを好きになるなんて、一体誰が予想しただろう。
(予測不可能だから未来なんですよ、と君が笑った)
(福蒼)
▼甘いのはお好き?
「…蒼樹嬢、香水、変えた?」
どきり、跳ねる心臓、まさか気づいてくれるなんて。
雑誌に書いてあった情報を、半信半疑に試してみたけれど。
効果はありますか?
甘い香りは、お好きですか??福田さん。
(どストライクですとか思ってる福田さんと蒼樹嬢)
▼ヤングマン!
隣で机に突っ伏してうーっとか唸っている彼を見下ろす。
「…若いねぇ」
「……若くねぇっす」
その初々しさが懐かしい…なんて親父臭い哀愁を感じるようになったのは果たしていつだろう、なんて考えながら雄二郎はグラスを傾けるのだった。
(蒼樹さんと悶々してる福田さんの話を聞いてる雄二郎さん)
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