ワンステップであなたまで!
 
「…もう大丈夫?」
『うん…』

あれから声も出さずに泣いていたなまえの目は、すごく赤かった
まだ高校生も子供なんだなーと思うとなんだか面白い
顔はもう大人なのに

『あの…ごめんなさい、我が儘言ったりして…』
「いいよいいよ。俺もすっきりしたし」
『………』

なまえは黙り込んで顔を赤くした

「もー。いじめたくなっちゃうでしょーが!」
『ええっ!?ご、ごめんなさい!』
「そうじゃなくてさ」

俺は彼女の頬にちゅっと音を立てながらキスをした

「こういうコト」
『――っ!!』

ボンと音がなりそうなくらいの勢いで彼女が赤面する
面白いなあ(笑)

「んじゃ、今日もおそいし、帰るか」
『うん』
「今度はお昼ご飯一緒にどう?」
『!!!』

彼女はぱああっと顔を輝かせて頷いた
それを見て微笑んだ

『あ!』
「なに?」

俺が彼女のほうに振り返った


ちゅ


俺が振り向くと、目の前にはなまえちゃんの顔が見えた

『えへ、またねのチューです』

そんな彼女にまた微笑んだ
恥ずかしそうに顔を俯かせながら走り出す彼女を見て、一人でニヤニヤしていた

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