PKたちが去ると、桃色ツインテールが近づいてきた
『嘘…パイなの…?』
「知り合い?」
名前は驚いたような目でパイというPCを見た
パイは少し笑うと名前に近づいた
「そうよ名前。久しぶりね」
『パイ!!』
名前はパイに抱きついた
シラバスはそんな中でお礼をいった
「あの、助けてくれてありがとうございます」
パイはハッと気づくと名前を退けた
「あんたがハセヲね」
「……あんたみたいなやつに名乗った覚えはないんだけど?」
「へえ…噂どおりのきかん坊って感じね」
『ふふふ…きかん坊かw』
「何、あんた俺のファン?w」
「残念ながら、ガキは趣味じゃないの」
「あっそ。そりゃよかった。俺もオバサンに興味ない」
『ちょ…ハセヲ!』
ハセヲとパイは言い争っている
「オ、オバ……!?」
『パ、パイも落ち着いて!』
「"きかん坊"とか"趣味じゃない"とか、言い回しがどっかオバサン臭い…w」
ことごとくスルーされる名前
「失礼ね!こう見えても私は…!」
「私は?w」
「………出直したほうがよさそうね」
『もーパイってばいい大人なのにー…』
「悪かったわね」
パイの睨みには弱い名前
『すいません』

「一つだけ忠告しておくわ」
パイは真面目な顔になって言う
「あなたのPCには"危険な力"が秘められている」
「"危険な力"?」
「自分のPCから巨大な"何か"が生まれるような感覚を覚えたことはない?」
『それって…』
「そうよ名前。あなたと再会してすぐに帰るのは惜しいけど、また会いましょ」
『うん!ぜひとも♪』
パイは微笑んで暗闇の中に消えていった

パイが行った後、シラバスとガスパーは混乱していた
「それよりも俺が聞きたいのはお前のことだ。名前」
『へ?僕?』
ハセヲが体の向きを変えて名前に話しかけてくる
「それよりもさっきの名前怖かった〜」
「別人みたいだったよ^^;」
「お前ら…人が話してるのに…」
『そんなに怖かったかな…?』
いつのまにか話題は名前になっていた
「確かに名前が"狂った女神"だっていうのには驚いたな」
『そうかなあ…』
「名前もPKK?」
『そうだよ』
「そんな雰囲気じゃないけどな〜」
「そういえば名前の武器見たこと無いよ」
段々話が盛り上がっていく
『僕は武器も全部改造してるから危ないんだよ。だから出せないや』
「名前ってすごいチートなの?」
『あんまりすごくないよ』
「そういえばパソコンが部屋に3台あるって噂本当なのかよ」
ハセヲもノリノリで話題にノってくる
『まあ中二の頃からずっと引きこもってるからw』
「え、今何歳だよ…」
『高ニくらいかなあ?ニートしてると結構日付も忘れるものだよ?』
「なんか段々名前が心配になってきたよ…」

「こんなにノンビリしてていいのかな〜さっきのPKが戻ってきたら大変だよぅ!」
『そうね。じゃあ早くタウンに戻ろっか』


「あんな説教クサイギルドに守られるくらいならPKされた方がマシ」
『ハセヲ…』
タウンに戻ると、シラバスたちが"月の樹"の話をしはじめた
シラバスたちはハセヲに"月の樹"に守ってもらったほうがいいと言うが
ハセヲはそんな気はないらしい
そしてハセヲが話しながらシラバスたちのほうを向くと…
「お前…いつから…」
『!!』
振り向けば、顔の知っているPCがいた
「………」
「な、なんだよ……」

「ハセヲさん!あなたは"月の樹"のことを、何一つ判っていません!」
黄色い髪のPCが叫んだ
黄色いPCはハセヲにギルドのことをくどい位説明する
「お、お前なあ…」
「コレ、受けとってください!」
ハセヲは少女のアドレスを貰った
『アトリ!!』
「名前さんごめんなさい!今は榊さんが呼んでいるのでお話できません…」
『だからさんなんてつけるなっていってるじゃない!』
「で、では…!」
アトリはすぐに消えてしまった
『あーあ…行っちゃった…』
「すごいね名前!いろんな人と知り合いなんだあ!」
『そうかなあ?普通だと思うよ』

「僕達はまたエリアに出るから、なんかあったらいつでも呼んでね」
「サポするぞぉw」
『じゃあね〜』
シラバス、ガスパーとさよならをしてから一息つく

「それにしても、お前何者だよ
 いろんなやつと知り合いだし、なんかいろいろ知ってそうじゃねーか」
『もー。僕はただの監視者だよ♪』
「わけわかんねーよ…」
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