変態爆誕
父親は浮気して新しい女と出ていった。
母親は気を病んで入院。その後自殺。
当時15歳だった私には真っ当に稼ぐ手段などなく、
年齢を偽って危ない仕事を請け負った。
そして20歳になったある日大きな失敗をして、所属していた組織に追われる身となった。
なんとか逃げ延びながら、地方民だった私は都心部、江戸に着く。
泊まる金もない、立ち止まる暇もない私は歩き続け、遂に力尽きて人気のない街中で倒れた。
夕方ではあったがこの日は大雪警報が出され、誰も外には出ていなかった。
寒いなぁ。
手がかじかんで、指取れそうだなぁ。ポロッて。
そう思い、襲われた眠気に身を委ね始めると、目の前の家の戸がガラガラと大きな音を立てて開いた。
足元しか見えないけれど、黒い女物の着物に草履という、年配な女性だとすぐにわかる。
「……おやまぁ……デカい落とし物だねェ」
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1か月後
「おっとせさぁぁぁん!行きたいです!家賃の取り立て!」
「またかい。だったらそこの棒切れ持って行きな。」
「はーい……えっ?棒切れ?」
刀じゃんか。
貰えなかったら斬れと??
過激だなぁ。
「お登勢さんは私が何をしてるのか分かっているのに止めないから好きです」
「金も払わない奴等に同情する余地はないね。」
かっこいい……!
保護者であるお登勢さんの許可もあることだし………今日も元気にやりますか!
下着泥棒!
「だァァァァァアアア!!また来やがったな変態娘ェ!!!」
「あ、バレたー。今日は隠し通路から来たのにー。」
天国のお母様。
真っ当に生きられず申し訳ありません。
私はただいま、変態となり日々ウザがられています。