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カルマのエロ本を見つけてしまった



リクエスト:カルマのエロ本みつけた

「カルマ君の部屋きれーだね!」
「フツーじゃん?飲み物とってくるからテキトーに座ってて」
「わかった!」
パタン
「さーて、あれはどこにあるかな……まずは本棚から……」
ガサゴソ
「漫画と参考書ばっかりー。グラビア雑誌すらないや……ベッドの下は……」
「そんなとこに隠すわけないじゃん」
「確かに、ベタすぎかー。カルマ君ならもっとうまく……ってワァアァア!?」
気づけば背後にカルマ君がしゃがんでいた。びっくりしすぎて慌てて体を起こしたせいで、後頭部を思い切りベッドにぶつけてしまう。私は床にぺたんと座ってうなだれると、頭をおさえて唸った。
「エロ本なんて今時もたないって。時代はアダルトサイトだから」
「かっ、架空請求……の?」
「混乱してるね。頭大丈夫?」
後頭部を撫ぜられたけど、なんだかちょっと質問の仕方に悪意を感じた。
「ていうか、男の部屋でケツ突き出して振っちゃってさ。なまえちゃんは誘ってんのかな?」
にっこりしているけど純粋な笑顔ではなさそうだ。後頭部に手を回されているせいで、気づけば距離が近い。
「えっ……と」
「そもそもエロ本なんてなくても、俺オカズには困ってないから。言ってる意味わかる?」
じりじりと迫られて、後ずさりしている内に背中が壁に当たった。足首を掴んだ手が上り詰めてくる。待って、とか、落ち着いて、という言葉はあっけなく無視される。
「バカだね、なまえは本当に」
よくよく見れば、彼は飲み物すら持ってきていなかった。最初から手のひらで転がされていたのかもしれないと思い至った瞬間、唇に柔らかいものが触れた。

170120