カルマの看病
リクエスト：体調を崩したヒロインを看病する話
リクエスト：暗殺カルマで風邪ネタ
case.友達
「くしゅっ、ズズズ」
「何、風邪でもひいた？」
「そうみたい……。なんか鼻水とまんなくて。喉痛いし」
「熱は？」
「今朝はなかった」
「なんとかは風邪ひかないっていうのにねー」
「そうだねー」
「……」
「……はぁ」
「マジでダルそうじゃん。早退すれば？」
「でも今日は放課後烏間先生がプリン買ってくれる約束じゃん」
「そうだっけ？」
「そうだよ！この前の訓練で勝ったご褒美にって。だから絶対帰りたくない」
「馬鹿だね」
「いつも訓練で勝てる赤羽には、この有難味がわかんないだろうけどね」
「でもなんかフラフラしてんじゃん。熱もあがってきてんじゃない？帰れば？」
「プリン……」
「俺があんたの分も食べといてやるから」
「何それなおさら帰れないじゃん」
「じゃあ写真とってメッセで送ってやるから」
「全然嬉しくない」
「わがままな女」
「赤羽の言ってること無茶苦茶だってわかってる？ゴホッ」
「咳まで出て来てんじゃん。早く帰んなよ。なんなら俺送ろうか？」
「は！？なんでそんなことする必要あんの意味わかんない」
「別に俺もサボりたいし。それに校舎こんな場所にあるじゃん？もしこれで帰り道死なれたら寝覚め悪いし」
「……赤羽優しいのか意地悪なのかよくわかんない」
「優しいじゃん？ほら」
「……！なに、これ。いらない、返す」
「あんたは可愛げないよね……。寒そうにしてんじゃん。かけときなよ」
「いらない、赤羽のカーディガンなんて。ていうかあんたが風邪ひくよ」
「俺はどっかのバカと違うから平気。そんな軟じゃないし」
「……」
「最初からそうやって素直に受け取っとけばいいのに。で、なんかいう事ないの？」
「……アリガトウゴザイマス」
「うん。早退するときは言ってね。俺も抜けたいから」
「…………うん」
case.恋人
「もしもし、ごめんカルマ、風邪ひいたみたい……。起きたら熱が三十九度あって」
『はー？腹だして寝たわけ？』
「寝てないよ……。だから今日の約束、また今度にしてもらっていい？」
『別にいいけど……。今家に一人なの？』
「うん、お母さん仕事だし……。て、カルマ、来ちゃだめだからね」
『は？なんで』
「風邪うつしたくない」
『ふーん。なまえは俺に会えなくても別に平気なんだ？』
「馬鹿、そうじゃないよ。カルマには会いたいけど、元気になってからの方がいいでしょ」
『そういうのいいから。じゃ今から行くね』
「ちょっと！……電話切られた、ホントに来るの？顔洗わないと……」
「来たよ。うわ寝起きじゃん」
「病人だからね……。ていうか急に来るなし」
「行くって言ったじゃん。はいこれ、ミカンゼリー。どうせなんも食ってないだろうと思って惣菜も持ってきたよ」
「ありがとう。帰っていいよ」
「は？せっかく来た彼氏にその態度なくない」
「だってホントうつったらやだし！絶対それしばらくネチネチ言うじゃん！」
「言わないって。しかもほら、マスクしてきたじゃん」
「でも……」
「いいから早く飯食えって。なんなら俺が食べさせてやろうか？」
「えっ」
「……何その反応」
「か、カルマ優しくてちょっとびっくりした」
「俺いつも優しいじゃん」
「レジに向かう私の鞄から財布抜き取って恥かかせるようなやつを優しいとは言わないと思うんだけど」
「たった一回のこといつまで言ってんだよ。あとでちゃんと返したじゃん」
「それだけじゃないし。私の背中に大量の洗濯バサミくっつけて『バカ』って書いたこともある」
「あぁ。あれ気づかないの逆にすごいよね」
「あのままでかけちゃって、よりによって磯貝君に会っちゃってホント恥ずかしかったんだから……」
「いい思い出だよね。ていうか何？なまえ優しくしてほしいの？」
「決まってるじゃん」
「でもヤってる時はいじめられて喜んでるじゃん」
「は、はぁ？そんなことない！」
「でも痛くするとしまるよ」
「何の話してんの馬鹿っ！もう寝る！」
「だから飯食えって言ってんじゃん」
「カルマが帰ったら食べる！」
「はー……そうなる感じ？」べりべりっ
「……ってなんでカルマがミカンゼリー食べてるの……ムグッ」
「はい、騙された。食ったね」
「……」
「おいし？」
「……おいしい……」
「じゃあ次はきちんとおねだりして」
「……やっぱ意地悪」
「なんか言った？」
「カルマ、食べさせて？」
「……。仕方ないな」
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