妄想の墓場 | ナノ
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


お風呂あがりのラッキースケベ



リクエスト:お風呂あがりに好きな人と鉢合わせるヒロイン



Case.匪口

「はーさっぱりした……(ガラッ)」
「わぁっ!何で開けるの!!」
「えっ!?わっ、匪口!ごめん……ってなんで私が謝ってんの!!」
「びっくりした……。洗面所使うよ、って声掛けたじゃん」
「び、びっくりしたのは、こっちだよ。そんなん聞こえないし……。てか、今、見たよね?」
「……」
「もーやだ、匪口の変態」
「なんでそーなんだよ、ていうか別にいいじゃん、普段も見てるんだし」
「ぜ、全然違うもん!なんか、そういう時に見られるのと、そうじゃない時に見られるの、全く違うから!」
「……じゃあ、“そういう時”にしてやろうか?」
「へ?(ガラッ)……って、ちょっ、うわっ、なんで入ってくんの!やだ、タオルとんないで!ひ、ぐち……匪口!!」
「……なんて、冗談だけど」
「!?」
「湯冷めするから早くあがんなよ。俺用事すんだからリビング戻るね」
「えっ、……うん、あっ匪口?」
「何……?」
「靴下、濡れちゃってるけど……」
「……」
「そのままリビング行くの……?」
平気そうにして、結構限界来てたり。



Case.笹塚

「はーさっぱりした……(ガラッ)(ガラッ)……?あれ?開かない。私今開けたよね」
「俺が閉めた」
「えっ?あ、笹塚さん、いたんですか?」
「うん。今ちょっと洗面所使ってるから、気を付けて」
「あぁ……そういう。でも私、別に笹塚さんに見られたって平気ですよ?」
「……」
「というより、笹塚さん。寒いんで、バスタオルだけでも取ってもらえますか?あの、隙間から差し入れてくれると助かります」
「それなら……(スッ)」
「(ガラッ!!)ひっかかったー!」
「……何」
「あ、ごめんなさい。無理矢理ひきずりこんだせいで、笹塚さん靴下濡れちゃいましたね。履いてるの知らなくて」
「……あのさ」
「?どうしました」
「…………俺が男だってこと忘れてる?」
「え?」
このあと滅茶苦茶(以下略)。



case.赤羽
「はーさっぱりした……(ガラッ)」
「あ」
「……!!わぁ――ッ!!(ガラ)」
「(ガッ)まあ待ってよ」
「ひっ!何……なんで邪魔すんの!?」
「何かそんな風に逃げられると、本能がつい追っちゃうんだよね」
「り、理性を取り戻してよ!!てかなんでいんの!?」
「家に上がったら手洗いうがいは基本でしょ」
「なんで私の家にいんのかって聞いてるのっ!!」
「遊びにきたらおばさんが出かけるところで、『今うちの子お風呂入ってるから、部屋で待ってて』って」
「じゃ、じゃあカルマは私がお風呂入ってるの知ってたんじゃん!わ、わざとでしょ?」
「まぁ、こんなタイミングよく自分から開けてくれるとは思ってなかったけど……てか、いい加減諦めて中に入れさせてよ」
「な、な、なに入って来る気でいるのよ!!」
「いーじゃん、あんたのその貧相な体、お金払ったって見てくれる人いないでしょ。俺がどこを改善したらいいかアドバイスしてやってもいいよ?」
「なんでそんな上からなのよ……っ(ガラッ)ひっ!」
「男に力で叶う訳ないじゃんね」
「バ、バカ!本当に、入って来るなんて……」
「…………」
「み、見ないでよ……ほんと、出てって……っ」
「なまえ……」
「…………」
「思ってた以上に小さいね?さすがの俺でもこれをどうにかするのは――ぶっ!」
「死ね!!」
「いってぇ……タライはなしだろ」
「出てけ!!!!」
追い出され、家に帰ってイメトレをするカルマ。



case.苗木
「わぁっ!ごめん!ごめん!見てない!」
「びっくりした、苗木くん、いたんだね」
「ごめん、見てないから、本当に……!」
「大丈夫だよ。そんな目つぶらなくても……苗木くんが部屋に来てるのしらないで、タオルで出ちゃった私が悪いんだし……ごめん、ベッドに乗ってる服が着たいの、ちょっと通るね」
「あっ、ごめん、どくから!」
「……キャッ!」
「わっ……!」
目をつぶったままどこうとした彼は、横を通り抜けようとした私と同じ方向へずれてしまい、衝突してしまった。勢いに負けて倒れ込んだ私の上に、バランスを崩した苗木くんも転ぶ。痛みと衝撃に視界がにじんで、気が付いたときには、石のように固まった苗木くんにまたがられていた。
「ご、ごめん、ほんと、ごめん……」
「あはは、大丈夫だって」
「ごめん……」
顔を真っ赤にしてうなだれる彼が、震える手を伸ばしてきた。その瞬間、私は何故か、恐怖心を覚える。彼の謝罪の意味を、私は勘違いしていたのかもしれない。段々と近づく距離が、そんな予感を植え付けた。突然、動けなくなった私を見下ろしたまま、彼がタオルに手をかける。
「……ごめん、今度はちょっと見ちゃった」
苗木くんがそっとバスタオルで隠してくれた。私はそれで、体に巻き付けていたタオルが、はだけていたことを理解する。
「……苗木くんって、紳士だよね」
「ど、どこが?」
早々に起き上がって、私に背を向けた彼に言うと、心底訳が分からないといった様子で問われた。私は特徴的なパーカーのフードを見つめながら、小さく笑った。

(150203)