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ドジっ子を救うin魔人探偵



リクエスト:ドジっこをフォローする


case.匪口

「あれ?みょうじさんじゃん。マスクなんかしてどうしたの?」
「風邪ひいた〜」
「あーあ。腹出して寝たんじゃないの?」
「そんなことしてないから!……っゴホゴホ」
「結構つらそうじゃん」
「うん……頭ボーっとする」
「仕事なんて休めばよかったのに」
「そうもいかないでしょ……」
「大人って大変だよねー。……ちょっと待ってなよ」
「え……?」

「……はい!これ!」
「ポカリ?」
「そ!具合悪い時はこれがいいってネットで見たんだよね」
「ありがと、匪口くん……」
「飲んで、水分補給したほうがいいよ」
「そうする」
「あっ!」
「え……わぁ!」
「あーもう!何やってんの?!」
「ご、ごめん……マスク外すの忘れてた……」
「あーもう、服までびしょびしょじゃん、大丈夫?余計に風邪悪化しちゃうんじゃないの?」
「それは平気だと思うけど……ゴホッ、ベタベタするのはやだなぁ」
「……てか、シャツ濡れて透けてるし」
「あ、わ!ほんとだ……やばい、どーしよ!」
「ほんと間抜けだよね、みょうじさんって。ほら、これ」
「え、スーツ?これ誰の?匪口くんのじゃないよね?」
「知らない、そこら辺にあった。多分情報課の誰かの」
「えっ!?それはまずいよ……!」
「いいよ、緊急事態なんだからしょうがないって!それとも、そんな恰好でうろうろする気?」
「うぅ……」
「俺が代わりに怒られておくから、あんたは気にしないでさっさと洗いにいきなよ」
「でも」
「いーんだよ、俺は怒られ慣れてるから。さっさと行く!」
「ひ、匪口くん、ありがとう……」
「はいはい…………あーやっと行ったか。それにしてもみょうじさん、黒とか意外すぎだろ。あんなの他のやつに見せるわけにいかないから……」



case.笹塚

「あ、あそこに見えるのは……!笹塚さーん!」
「みょうじか……声でけぇな……」
「あれ!?おかしいな!?気づいたはずなのにそのまま進もうとしてる……!普通止まって待ってくれるよね?待って笹塚さん!!……ギャァッ!」
「!?(駆け寄ってきて)……何やってるの」
「ひ、ヒールの踵がハマって、躓いてこけました」
「……はぁ。掴まって」
「め、面目ないです」
「膝、血出てる……というか、結構生傷多いな」
「あぁ、実は私よく転ぶんですよ」
「危なっかしいな」
「でも今日は、笹塚さんがいて下さって良かったです。いつもは一人で、思いっきり転んじゃっても、誰も助けてくれないし、超恥ずかしいんですよ」
「そう……」
「笹塚さん、戻ってきてくれてありがとうございました」
「……俺が立ち止まらなかったから、転んだんじゃないの」
「え?違いますよ!さっきも言いましたけど、私はいつも転ぶんですってば!」
「……。みょうじを置いて、どっか行ったりできねーな」
「へっ!?ま、まぁ、私はしょーもないやつですけど」
「違う、そうじゃなくて。俺が前にいたら追っかけちゃいそうだから、……隣にいた方がいいかなって考えただけ」



case.笛吹さん

「何故お前は、そんなに靴がびしょびしょなんだ」
「実は……ドボンと思い切り水たまりに入ってしまいまして」
「避けろ!」
「浅いかな〜と思ったら、想像してたより深かったんですよ!」
「見た目で判断するから悪いんだ。もっと本質を見極められるようになれ」
「うぃーっす……」
「ほら、タオルだ。使え」
「え!?いやいや、いいですよ。だって脚ですもん、汚れちゃう……!」
「かまわん、風邪をひいたら困るだろう!頭寒足熱という言葉を知らんのか!?」
「で、でも」
「自分でやらないというなら私が拭いてやる」
「え!?やだ、待って笛吹さん!」
「靴を脱がすぞ」
「や、やだぁ、やめてっ」
カシャッ
「!?」
「ひ、匪口さん?」
「やば、この画像。完全に笛吹さんが女性に跪いてるように見える。ていうか下手したらセクハラ?」
「匪口、貴様……!」
「笛吹さん、待って、脚持ったまま立ち上がったら……きゃぁ!」
「!?す、すまない、大丈夫か――、……!?」
カシャッカシャッ
「笛吹さん、ますますヤバいね、みょうじさんのパンツ完全見えてるよ?ていうか笛吹さんガン見しすぎワロタ」
「匪口ィィィ――――――――!いますぐその写真を消せェェェ!!」
「やーなこった」
(それより助け起こして……)

140616