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140字まとめ2



ツイッターでやった診断。キャラ名を入れるとお題が与えられるので、140字のSSを書くというもの。



 Xi『一緒に帰ろう』

「俺はすぐに色々なことを忘れてしまうんだ」
私を攫った時、怪物がそう言ったから、記憶をなくす日を、息を潜めて待っていた。何週間経っても、何ヶ月経っても、彼は私を憶えている。
耐えきれずにとうとう自ら逃げ出した。
私が逃げ込んだ屋敷の、親切な人々の血に塗れ、サイは微笑む。
「一緒に帰ろう」



 葛西善二郎『おさえた首元』

無防備に眠る犯罪者の息の根を止めたら、警察に感謝されるのだろうか。細心の注意を払って跨り、首に手を添える。体温の中に脈打つ血管を感じ、何故か私が息苦しくなる。咄嗟に手を離すといつの間に起きていたのか目が合った。
「もう止めるのか?こっちは火がついちまったぜ」
伸ばされた手を拒めない。



 沖田総悟『週7日制』

月曜日はロープで縛られ、火曜日は水攻めにあう。水曜日は燃やされかけて、木金土と生き埋めにされ、日曜日。
「デートするぞ」
「やったー!」
ムチの厳しさに、総悟の飴がたまらなく恋しくなるのだ。六日間頑張った甲斐があったと彼を追うと、パトカーにロープを繋いでいる。
「今日は市中引き回しな」



 笛吹和義『夢だけの世界』

誰かのために呼吸することが夢物語なら、彼は夢の世界に生きる住人だ。
「和義がスイッチの代わりをするなら、私が和義になる」
彼はもう何ヶ月も言葉を紡いでいない。PCに入力した文字を機械的な音声が読みあげる。
『君は関係ないはずだ』
「関わらせて欲しい」
君と同じ夢を見て、同じ時に目覚めたい。



 クリフト『神様なんていない』

姫様が姫様で姫様に姫様の。彼の脳内は姫で埋め尽くされている
「いつも話を聞いて下さって有難う御座います」
「告白しないの?」
「そんな恐れ多い!想っているだけで幸福です」
この調子である。さっさと告白して振られてくれれば私も動けるというのに。神に祈ってるだけじゃ何も変わらんよ、神官様。



 サイタマ『優しくしないで』

ヒーローになると言い出した時は三日もすれば飽きると思っていたのに、修行の末に強靭な力を手に入れた彼は自らの危険も省みず人々を救う。二周年記念も私の誕生日も、彼は趣味に大忙し。
「地球のピンチに私もピンチだったらどっちを救う?」
意地悪な質問に両方と即答。地球なんて放っておきなさいよ。



 ソニック『幸せにはできないけれど』

音速を名乗るだけのことはあって、かなりすばしっこい。気づくと隣から消えている。私が彼の傍にいるための理由なんてなかった。だから彼が私を訪れて「ついてくるなら勝手にしろ」と言った時は驚いた。光の速さで手を握ると、満足気な笑みを与えられる。
「幸せにするなどとは言わん。自分の手で掴め」



 笹塚衛士『一生のお願い』

「一生のお願い」を使う度、衛士は呆れた顔した。私の一生のお願いは、見たい映画が揃わなかった時とか、急に会いたくなった時とか、どうでもいい時に消費されていった。甘やかされている自覚はあったけど、心地よさに浸っていた。
今までの願いを全部なかったことにしたい。本当の願いを叶えるために。



 アルミン『いっそ心中する?』

「自殺する?」
口にしてから軽率さを悔やんだ。彼はきっとこうした類の冗談を快く思わない人間だ。表情を伺うと、真っ青な顔で唇を震わせていた。私の言葉に対する反応なのか、迫る巨人への怯えなのかは分からない。
「巨人に喰われるならアルミンに殺されたいな」
告白めいた私の声は多分届いていない。



 狛枝凪斗『君と僕の終末論』

「君と一緒にすごせるなんて幸せすぎて怖いよ。もしかしたら今、急に隕石が落ちてきて死んでしまうかもしれない。でも、二人で死ねるならそれも良いかな」
「私は狛枝君と一緒に年をとりたいな」
「君がそう言うならボクは毎日ニンニクを食べて生姜湯を飲んで毎年の健康診断を欠かさないよ!」
「本当?」

140115