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彼女の手が冷たいin魔人探偵



リクエスト:末端冷え性の彼女

case.匪口

「電車来ない〜!寒くて死んじゃう」
「激しく同意」
「手がやばい冷たいんだけど」
「スマホいじるのやめたら?」
「だってラインのやりとり終わんないんだもん!」
「俺といんのに誰とやりとりしてるわけ?」
「石垣さん」
「は?なまえあのモデラー知り合いだっけ」
「この前、弥子ちゃん繋がりでね」
「ふーん……」
「手が冷たくて死ぬ〜……わ!?何?」
「こうして手、繋いだらマシじゃない?」
「うん、ありがと。でもこれじゃラインできないじゃん」
「いーじゃん別に。てか通知オフにしたら?石垣さんしつこそうだし」
「ははーん?さては匪口、妬いてる?」
「そうだって言ったらどうする?」
「えっ」
「はい、スマホしまって、反対側の手もちょーだい」
「う、うん」
「うわ、右手めっちゃ冷たいじゃん。こんなになる前に止めろよな」
「うん……」
「でもいい感じに俺の体温奪っててるよな。だんだんこっち側あたたまってきた」
「匪口の手が冷たくなってきちゃった」
「いーよ別に。あ、電車来るな。早く帰って飯食おうぜ」
「うん!……匪口、電車乗るから手、離して」
「なんで?いーじゃん」
「恥ずいでしょ!」
「誰も見てないよ」
「ちょっと、ひ、匪口!」



case.笹塚

「手、繋がないの?」
「えっ」
「いつも繋ぎたがるのに、最近言ってこないから……」
「だって、寒くなってきたから……」
「ん?」
「私の手、年中冷たいんです。夏は友達にも有り難がられるけど、冬は迷惑かと思って……」
「なんだ……そんなこと気にしてたのか」
「あ、笹塚さん……って笹塚さんの手も冷たい!」
「俺も冷え性。だからお互い様」
「そっか……!じゃあ、手、繋げるんですね!」
「ああ。手が冷たかろうが熱かろうが、俺は繋いでたいけどな」
「わ、私もです!」
「ちなみに……さっき言ってた友達って、女の子だよな?」
「もちろんですよ!!」
「そう……ならいいんだ」


case.笛吹

「あー手が冷たい……」
「手袋はどうした?」
「忘れました」
「気のたるみがあるから忘れ物をするんだ。昨日はハンカチを忘れていただろう?」
「うう……お説教されたくて言ったんじゃないのに」
「じゃあ何のつもりで口にした?」
「笛吹さんが、私が暖めてやろう……とか言い出すかと思って」
「だっ、誰がそんなことを言うか!」
「いいですよ、手、ポケットいれるから」
「待て!危ないだろう、転んだ時に手が出ないと怪我をする!」
「私は子供ですか?」
「君は抜けているからな……」
「そこまで酷くないです!……わっ」
「危ない……!!ほらみたことか!」
「あ、ありがとうございました。笛吹さん意外に力あるんですね、……ちっさいのに」
「……君は喧嘩を売っているのか?」
「そんな滅相もない!」
「……フン、部下のおもりをしなければならないなんて情けないが、先ほどのようなことがあった方が面倒だ。……手を出せ」
「え、なんで……え!!」
「君が言ったんだろう、手を温めて欲しいと」
「笛吹さん……!」
「ほら、キビキビ歩きたまえ!」
「ふふ……ありがとうございます!」
「明日からは絶対に手袋を忘れるなよ!絶対だ!」
「それはフリですよね?」
「ち、ちがう!」

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