桂さんが吸血鬼
「いいか、驚かないで聞いてほしい」
「あんたの電波発言には慣れたよ」
「……実は、俺は、吸血鬼だったんだ！」
「……へ〜」
「さては、信じてないな！？」
「だって突拍子がなさすぎて……」
「本当だぞ。見ろ、この犬歯を」
「あ、ほんとだ。すごいとがってる。……あれ？前からそんなにとがってたっけ？」
「普段は隠している。捕食の時だけこのように自在に鋭利にできるんだ」
「…………じゃ、じゃあ、吸血鬼ってガチなの？」
「ガチだ」
「ヅラは吸血鬼なの？」
「ヅラじゃない桂だ。吸血鬼だ」
「……打ち明けたってことは、私のこと捕食するってこと？」
「……」
「捕食されたら、死んじゃうの？」
「し、死なせはしない！ほんの少し……血を分けてもらうだけだ。献血のようなものだと思ってほしい。そうすれば、俺はずいぶん生きられるんだ」
「そうなんだ……」
「当然、無理強いはしない。望むのならば、なまえの前からも姿を消そう。ただ、これだけは誤解しないでほしい。誰の血でも良いというわけではないのだ。本当に、心から大切に思う者の血でないと、吸血鬼は生きられない」
「そう……なんだ」
「……」
「私、いいよ」
「……本当か？」
「うん。桂ならいいよ」
「かたじけない……（スッ）」
「……ん？何それ」
「見ての通り、ストローだ」
「……え？まさかそれ使うの？」
「これがないと飲めんのだ」
「いやいや……なんかこう、直接噛みついたりするんじゃないの！？」
「ちなみにマイタンブラーもある（スッ）」
「スタバかよ！？」
131031
→
←