一撃男 | ナノ


▼ 趣味をダンスに変えないで欲しい

ニュースキャスターの声が部屋に響く

『今年の蚊の大量発生の原因はなんなのかー…』

等と言っている傍ら、店長からの電話を受けいた

本日は臨時休業にするということで来なくていいって連絡だった

きっと、このニュースでやっていることが店に影響しているんだろうという察しはついていた



電話も終わった際に、今日はどうしていようかなと考えてたら

何やらベランダの方が騒がしい

大方サイタマさんってのは予想つくけど、何をしているのか気になった


ベランダに出てみると、ドンドンとリズミカルな音がしていた

溜め息をついて、上を向いてみると

彼はギリギリのところでベランダから出ないように気を付けていたのか

手拍子をしながらダンスをしていた


しばらく放置していたけれども、いつまでたってもやまないその音に

いい加減、切れかかっていたので、ベランダから文句をいう事にした


「サイタマさん!確かに、ベランダ外出はダメって言ったけど」

「お、七面鳥の蒸し焼き娘!いまちょっと取り込んでてな!」

「だからってベランダギリギリでダンスとか嫌がらせですか!」

「は?ちげーよ!蚊だよ、蚊!」

「はい?KADAYOCCAなんてダンス知りませんよ!」

「だからダンスじゃねーって!虫の蚊!」

「放置すればいいじゃないですか!」

「うぜぇんだよ!コイツ仕留めなきゃ気がすまねぇんだよ!」

「じゃ、外でやってください!」

「ベランダは外だっつーの!」

言い合いをしばらく続けていたが、このままでは終わる様子はなく
私は部屋に戻り棚にしまっていた殺虫剤を手にして、彼のベランダへ向かって殺虫剤を噴射させた

思惑通り、蚊は臭いを嫌ったのか、彼のベランダから去った

「あの蚊ぜってぇ逃さねぇ…!」

と意気込んでいるサイタマさんを見て、私は男のプライドなのかと考えて

彼に自分の持っていた殺虫剤を手渡しベランダ外出許可を出した

彼は蚊を追っていった、ミイラの話はその後ほかのチャンネルでやっていたのを見たが

彼は殺虫剤も持っているし大丈夫だろうと、ベランダの窓を閉め二度寝をすることにした





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