honeybee 31
「烈!合宿の話ってマジなの!?」
「あぁ。言ってなかったか?」
「初耳だよ。」
「まーそーゆー事だから。」
「なんで合宿なんて…。」
「しごけるからな。心眼を開眼させるには限界を超えるのが手っ取り早い。経験値みたいなもんだ。」
「経験値って、ポケモンじゃないんだから。」
「それに、あそこには刀匠がいる。お前の真剣雨晴を打ったヤツだ。手入れしてもらえ。」
「刀匠がいるの!?やったー!」





そんな事を話した帰り道。リョーマと時雨はいつも通りくっちゃべっていた。


「はぁい?乗ってく?」
「「!!」」

「な……」
「貴女は…」

「「誰ですか?」」
「不二由美子よ!周助のお姉さん!」
「え、周助先輩の!?超美人だぁああ〜!!!」


赤い車に乗った綺麗なお姉さんは不二の姉、不二由美子だった。


「あれ、お姉さんどこかで見たことあるよーな…。」
「テレビじゃない?」
「そうだテレビ!って…もしかして"ユーミン"!?」
「誰?」
「知らないの!?天才美人占い師ユーミンだよ!!」
「へー。」
「わー芸能人だ〜〜!!」
「ふふふ、じゃ、乗りなさい!自転車は…」

ぽんっ

「ん?」
「貴方が必死で漕ぎなさい。」
「なっ!」
「男の子でしょ?荷物は持ってあげるわ。さぁ時雨ちゃん早く車内へ。」
「え、でも…」
「車にチャリンコが追いつく訳ないでしょ!?」
「あら大丈夫よ、死ぬ気でやれば。」


時雨を助手席に座らせるとそそくさと出発してしまった。


「なっ!荷物取られて帰れないし…!!」


シャー!! ジャカジャカジャカジャカ…シャー…!!!!

リョーマ、爆走。





不二家

「ぜえっぜぇっ…はぁああ〜〜」
「早かったわね。」
「あんた…不二先輩に似て…笑ってひどい事させるよね…。」
「うふふ」
「お、お疲れ様…!」
「やぁ、よく来たね時雨!越前!」


玄関から現れた不二によってリビングへ促される。リョーマは出されたお茶を飲み干し、時雨は香る良い臭いにうっとりした。



/拍手/掲示板/心臓圧縮/honeybee
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -