Mermaid 60
「花の色は うつりにけりな いた」
「取ったーっ!!」

スパァン!

「花の色は うつりにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせしまに、だろ!?!?」
「ピンポーン。」
「あーまた取られた!!」


八角と銀太が夕飯を食べ終わり少しすると、サハラ達は百人一首を始めた。もちろんカルタを覚えていないサハラは読み手。


「なんでお前百人一首だけこんな強いの!?!?馬鹿なのに!」
「よーし銀太処刑な。」
「ごめん嘘!」
「やべぇやべぇ、鋼牙に負ける!」
「八角だけには負けたくねーっ!」
「俺だって銀太には負けたくねぇな!!」


そして僅差で鋼牙より和槙が買っていて、銀太と八角はどんぐりの背比べをする。


「はい、読むよ。月見れ」
「もらったァァア!」

スパァン!

「月見れば ちぢに物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど、だ!」
「当たり。」
「よっしゃー!」
「くっそー…」
「はい次、かささぎの 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける。」
「「「…………」」」
「……かささぎの」
「取った!」

スパン!

「あー!」
「あーっ…」
「なんでそんな端っこにあるんだよ。」
「へっへっへ!かささぎの 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける。」
「オッケー。」


こんな感じで、


「君がため 春の野に出で」
「貰い!

ぱしっ!

「君がため 春の野に出でて 若菜つむ 我が衣手に雪は降りつつ。」
「いーよ。」


結構白熱している。


(よくわかるな。)


「夏の夜は まだ宵ながら明けぬるを 雲のいづこに月」
「とった!」

スパァン!

「夏の夜は まだ宵ながら明けぬるを 雲のいづこに月宿るらむ!!」
「正解。」
「うぉー!!」


そして、


「これで最後だね。」
「よしこい!」
「最後の一枚は俺がもらう!」
「燃えるな!!」
「頼んだぜ!サハラっ」
「はいはい。」


気がつけば読み手のカルタはラスト一枚。
見かけは鋼牙と和巻がトップ争いで同じくらい。
銀太と八角は鋼牙と和巻がとりまくってるで枚数は少ないがどちらかといえば銀太の方が多そうな感じである。


「…………」
「「「「ごくっ、」」」」


4人は生唾を飲んだ。



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