Mermaid 61
「ひさか」
「取ったーっ!」
パシィン!!!
言った直後にカルタは取られる。
「ひさかたの 光のどけき春の日に しづ心なく 花の散るらむ、だ!!」
「あってる。」
「よし!」
それは鋼牙。
「えーっ!?!?はやっ!お前早過ぎだよそれー!!」
「ふふん!この歌好きだから目ーつけてたんだ♪」
「うっそ!」
「勝利の女神は俺に微笑んだのさ。」
「鋼牙のくせにっ!」
「で、誰が1番だった?」
「よーし数えよう!」
「まぁ八角がビリなのは決まりだな。」
「うっせーよ鋼牙!」
「まぁハゲだから。」
「関係ねぇし!」
歎き、そして軽く口喧嘩をすると4人は一枚ずつしっかりと手札を数えだした。
「では発表します。……ビリは知っての通りハゲな八角。」
パチパチ
けらけらと小ばかにしながら拍手。
「ひでーよサハラ!っ」
「だははははは!」
「3位、銀太。」
「イェーイ!!」
「まぁどんぐりの背比べだけどな。」
「お前らがとりすぎなんだよ!」
「えっ、俺?」
「ひっこんでろハゲ!」
「そして優勝は一枚差で……」
「ごくっ」
「ごくっ」
二人はまた生唾を飲む。
「優勝は…」
「優勝は!?」
「どっちだ!?」
「……っ、優勝はね…」
「焦らすなよサハラー」
「一枚差で…」
「どうなんだ!?!?」
「鋼牙!!」
「いよっしゃぁぁああああ!!!!」
そう叫んだ。
「くっそーっ最後のあれのせいで…」
和槙は歎く。部屋には鋼牙の勝利の雄叫びが響いていたとか。
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