Mermaid 53
カラカラカラ…

《ただいまー。》
《ふー、寒かった!》
「!八角!?銀太!?」


家につくと、二人は小声でため息をつく。
とても小さな声で言ったはずなのに、和槙はそれに気付いたなか一目さんに出向かえに来た。


「和槙!まだ寝てなかったのか?」
「阿保!眠れる訳ないだろ!生きてて…よかっ……」


4人の姿を確認するなり和槙は俯いた。


「なっ!てめー泣くなよ、男だろ?」
「うっせーしょうがねーだろっ!…ック…う、嬉しいんだよ!!」


ヤケになってそう叫ぶと和槙は片手で涙を拭いながらおいおいと泣く。八角と銀太は顔を見合わせると静かに笑いあった。


「へへっただいま、和槙!」
「ただいま!」
「あぁっ!おかえり!八角、銀太!!サハラちゃんと鋼牙もおつか………ってどうしたんだ!?傷だらけじゃねぇか!」


目を閉じ全身傷だらけになった鋼牙とサハラの姿を見て和槙は目を見開く。


「そうなんだよ。体も冷たくてな。どうしよう。」
「ばっ!早くそれ言えよ!!」
「言う暇なかったじゃねーか。」
「ばっ…、揚げ足とんじゃねーよ!今からソッコーで薬湯作るから二人を脱がして風呂場にこいよ!ソッコーで!」


ぴゅーっと、和槙は風呂場へダッシュした。
取り残された二人は顔を赤くしながら立ち尽くす。


「鋼牙はまぁ、どーどもいいとして…」
「サハラを脱がすって…」
「「そんな事出来るかよ!」」


ちらっとサハラを見るなり赤面する二人は生唾を飲んだ。


「でも…このままにしとく訳にはいかないよな」
「本気で風邪ひいちまうよ」


それからしばしの沈黙。
そんなとき、ピンっ、と八角に名案が浮かんだ。


「そ、そうだよ!服着せたまま!いれればいいんだよ!」
「そうだ!そうすりゃいい!早く風呂場行こうぜ!」
「だな!!」

タタタタタっ!


二人は鋼牙とサハラを担ぎながら、風呂場へと走っていった。
だが起きる様子は全くない。



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