Mermaid 54
スパーン!

「あっ!おせーよ二人共!早くサハラちゃんと鋼牙を薬湯にいれろ!」
「はいはい!和槙、タオルは?」
「カゴの中だ!」


風呂場につくと、そこに少し大きめな緑色に透き通る湯舟をぐるぐる回している和槙の姿があった。
八角と銀太は背から二人を下ろすと床に寝させた。


「男の服脱がせるのか…気持ち悪いな。」
「馬鹿っ!仲間の一大事だぞ!俺だってなんかムラムラしてきて……あぁ!」
「こら!無駄口叩いてないで早くしろよ!!」
「「へい…」」

パサッ


雨と海水と血にまみれた衣を脱がしていく。


「わー、何気に鋼牙って筋肉あるよな。」
「何処見てんだよ…」
「いや胸板が見えたから。」

きゅっ!

「はーい完成。」


鋼牙の方は最後に白いタオルを巻いて、早々に完成した。
だがサハラの方は羽織りと帯を取り、着物姿になったまま。
だが…


「ぅ、おい銀太、早くしろよっ」
「わ、わかってるよっ」


胸を開けると水によって濡れ、‘肌色’を写す白い着物が姿を表した。
銀太はゆっくりとサハラの腰紐に手をのばすと覚束ない手取りで紐を解いていく。


「脱がすからなっ」


濡れる肌に艶っぽい黒と赤の髪。寒いのか顔を赤くして横たわるサハラの姿はとても色っぽい。
掛け声と共に袴を降ろしていくにつれ白くてむっちりとした美脚を覗かせてきた。


「やややヤバイ!」
「が、頑張れ銀太!」

ススス…

「はーっ」


ようやく着物を脱がせ終えた時には銀太と八角は色々な意味で汗だくだった。


「二人とも!まだか!?」
「い、今いく!銀太いくぞ!」
「おう」


八角は鋼牙を肩にかける。銀太はそっとサハラを姫だきにした。


「あっ」
「ん?」
「白い服って、すげー透けるんだな」
「……お前の言いたい事、なんとなく分かった」


銀太はサハラから目を背けながら歩く。
それもそのはずだ。白く濡れた衣服なんて、来てる意味はほとんどない。色んな恥じらいの部分が銀太には丸見えだったのだから。


(ヤバイ!ヤバイよ!でもしょうがないよね!俺思春期だし!男だし!この状況だし!みんな一度は通る道だよ!しょうがないよ!うん!)


赤面しながら、そう必死に言い訳&自己暗示する銀太でした。


「銀太、」
「ん!?」
「鋼牙、寝ててよかったな。今の状況見られたら確実に殺されてたぞお前。」
「そ、そうだなっ」
「こら早くーっ!!」
《《静かにしろォオ!!》》



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