×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

「今日も収穫はなしかィ」
「えぇ、まぁ」

聞き込んだ情報で姉に繋がりそうなものを調べてはみたがどれもこれも全く関係のない情報だった。取り寄せた資料を机に投げて突っ伏していると沖田隊長が首にかけていたアイマスクを引き上げてそのまま床に寝転がる、ここ私の部屋なんですけど。
隊長相手に足蹴にするなんて強行手段には出れないので突っ伏したまま隊長が持ってきたのであろう書類の束に目をやる。

「……隊長、その書類は?」
「今日の始末書でさァ」
「何で私の部屋に持ってきたんですか」
「やっといて」
「蹴り出されたいんですか」
「無理矢理やらされてぇのか?それはそれで燃え上がるけど」
「やめてください燃え上がらないでください消火し……隊長、立たないで、はい正座して」

Sっ気全開の笑みを浮かべる隊長に身の危険を感じたので仕方なく床に置いてある書類をとって机に向き直る。満足気に横になり本格的に寝息をたて始める隊長を恨めしく思いながらも今日も私は関係のない始末書を作成した。

****

「副長、いますか」
「入れ」

中から聞こえてきた声に失礼します、と襖を開ければさっきの私と同じように書類を見つめながら眉間に皺を寄せている副長の姿が。そのすぐ隣には山のように積まれた吸殻があり、また新しい吸殻が上に積まれてボロリと灰が上から落ちていった。
沖田隊長がやるべきだった始末書を差し出すとまたか、とため息をつく。

「……あいつは何してんだ」
「私の部屋で寝てます」
「それはほんとに何してんだ」
「それ、今日の報告書と始末書です」
「おい、何かあったか」

脈絡のない返事に顔を上げればいつもより優しげな目がこちらを見ていて「へ」なんて間抜けな声が口から出てしまった。

「姉の情報、またダメだったのか」
「……まぁ」
「楽にやれ」

ポン、と頭に大きな手が乗っかる。
副長はこうしてたまに優しくなったりする、同情なのか性格故なのか分からないけれどこの時間は結構好きだ。大人しく頷けば離れていく手、それを見届けて部屋を出て萎んでしまいそうだった体に空気を溜め込もうと大きく息をする。また聞き込みしよう。楽に進んでけば、きっと、大丈夫。

*前 次#