次の日。
とりあえずは学校に行かねばならない瀬奈は気だるい体を起こして支度を始めた。
朝飯を作れば、ギルガメッシュを起こしに行き、そして軽く片付ければ学校へ行く。

「はぁ……」

さて、学校に着いたのはいいが、誰に相談するべきか…。

とりあえず、知り合いに聞いて見たところ、それぞれ全員がNOとのこと。
そりゃそうだろう。いきなりだからね。

そんなこんなで、特に成果もなく放課後になった。


落胆しつつ、仕方ないからホテル暮らしにするか……と呟きながら歩いていると人にぶつかった。

「へぶっ」
「おわっ!?」

鼻が痛い……。

「あ、ごめんなさい……って、士郎くん」
「あれ、瀬奈先輩」

ぶつかった相手は士郎だった。
ちょうど、帰る途中だったらしく、帰る道が同じだった瀬奈と士郎は一緒に帰ることにした。

「あれ、今日はスーパー寄らないのか?」
「ん? あぁ、これからホテル暮らししないといけないから節約しないとなんですよ」
「は? ホテル暮らし?」
「うん、うちのアパートが全面改装するらしくて、1週間ぐらい工事なんです。泊めてくれそうな家、探したんだけど、なかなかなくて……あと、面倒の掛けられないですし」
「なら、俺んち来るか? 部屋なら余ってるし」

士郎の声に瀬奈は驚いた。

「え、うそ。冗談でしょ?」
「なんでさ。本気だって。居候はいるけどさ、瀬奈先輩がよければうちはいいぜ」
「本当に? えっと、私のほかに一人いても大丈夫?」
「あぁ、大丈夫」
「ありがとう! 良かった……!」

まさか、士郎くんが泊めてくれるとは思っていなかった。
天の恵みというか、なんというか。とにかく、甘えるしかない。

明日からお邪魔することになった。
本当にありがたい。

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