03


合流ポイントまですぐのことだった。「いたぞ!」という声を共に3人の皇国兵が現れた。
俺はすぐに武器を出し、切りかかる。俺の大剣は皇国兵の鎧をも砕き、一瞬で絶命させる。一人の兵がやられたことにより、怯んだ隙に2人にも切りかかり、殺した。武器を戻せば倒れている死体に向かって忌々しげに吐き捨てた。

「俺らが使えるのは、魔法だけじゃねぇんだよ」


ゼロの所属している組は2組だ。2組は前線に特化したクラスで、魔法に加えて個人の武器による戦闘を得意とするメンバーが集まる。つまりは、戦闘に特化した者が集まるクラスだ。
訓練の中には、魔法が使えないときを想定しての訓練もあるのだが……まぁ、この様子じゃパニックになって思うような動きは出来なさそうだが。

また、前線にでることが多いため欠員による入れ替えは激しい。俺も、ほとんどのクラスメイトを覚えていない。多分、またクラスメイトは減ったのだろう。そいつらに顔向けできるよう、この作戦だけは成功させないとな。

「いつ見てもすげえな…」
「まぁな。ところで、怪我のほうは大丈夫か?」

イザナが感心したように声を上げた。イザナの傷を見るが、服の上からじゃ分からない。ケアルガで癒した傷は少しずつだが良くなってきているはずだ。顔色も先ほどよりは良くなった気がする。

「せいっ!」

ただ、問題があるとすればイザナの体力が持つかどうかだ。傷がいえても体力がなければ、虫の息だ。俺は、新たに現れた皇国兵に切りかかれば、合流ポイントまで急いだ。


合流ポイントにたどり着けば、イザナには少し待っていて貰う。辺りに危険が無いか調べるためだ。皇国兵が隠れていて、不意打ちを食らったら俺でも危ない。いや、そう簡単には死にはしねぇけど。


俺が、場所を離れた時だった。俺の反対方向から、皇国兵が現れた。狙いは、動けないイザナだった。皇国兵は持っていた銃でイザナに狙いを定めている。

「っ、くっそォ!!」

忌々しげに呟きながら、俺は全速力で走る。走りながら、魔法の詠唱に取り掛かった。今、発動すべきはウォール。文字通り、『壁』を作る魔法だ。銃弾なら余裕で防ぐことが出来る。今はただ、イザナに当たる前に発動させるしかない。

間に合え、間に合え、間に合えッ!!


「ウォール!」


俺の発動したウォールは、イザナに当たる前に発動できた。防がれたことによって、皇国兵は俺を認識した。と、言うよりも魔法が使えることに対しての戸惑いのほうが多いようにも見える。

「なぜ魔法がっ!?」
「ジャマーは起動しているはずだ!」

戦場では、一瞬見えた隙が命取りになる。
俺は、武器を出せば一切の躊躇もなく、切り捨てた。一瞬、くぐもったうめき声を上げれば皇国兵は倒れ伏せ動かなくなる。

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