ひなつぼし
「まったく、暑いこと──…」
──ペルの、しろやかな
海風が
潮の匂いを含んだ風は、さらりと吹いて、かれの頭で
みじかい下草の色が、あまりに鮮やかだ。
ペルは、丘の
水捌けのよい砂地がきらきら光り、まぶしい。砂粒の中に、細かな石英を含むからだ。
丘の
(──…なつかしい、)
のぼりながら、ペルはひとりでそう想う。
遠く、丘の上に、あめんどうの木がある。梢が透かす夏の空が、蒼い──。
その、木の下に──しろく、何かの影がひららく。
大きなつばの帽子──。
目を細めて見上げれば、女がかれに手を振った。
──
「ヘレウ」
ペルは、丘の上のこいびとに手を振り返す。
◆
海辺から、すきなひとが手を振ってくる。
かれもまた、振り返す。
──…幾度も幾度も、くりかえす。
つづく
→火夏星(完全版)
↓
とても陳腐で ありふれているけれども 決して忘れられない倖せ。
◆
タイトルは「火夏星《ひなつぼし》」と読みます。火星のことです。
◆
短ッかくて申し訳ございません途中です。思い切り冒頭です。
13年前〜時間軸くらいです。前回の2年後編と併せて読むとグチャグチャの気持ちに。
時間かかるかもしれませんが3000〜4000字ほどのものを予定しておりますのでいずれ完成させてUPしたいです。
信じれば、明日もペル誕!来月も再来月も、ペル誕!(?)
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とても陳腐で ありふれているけれども 決して忘れられない倖せ。
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タイトルは「火夏星《ひなつぼし》」と読みます。火星のことです。
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短ッかくて申し訳ございません途中です。思い切り冒頭です。
13年前〜時間軸くらいです。前回の2年後編と併せて読むとグチャグチャの気持ちに。
時間かかるかもしれませんが3000〜4000字ほどのものを予定しておりますのでいずれ完成させてUPしたいです。
信じれば、明日もペル誕!来月も再来月も、ペル誕!(?)
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