薔薇は無慈悲な庭の女王
「肉をパンに。血を葡萄酒に。あなたが削った命の報いをお届けします」
一つ。払うものさえ払えば代わりに復讐を果たしてくれる。
一つ。殺しだけは特別料金で、しかも滅多に請け負わない。
一つ。依頼人都合による一方的な契約破棄には、――――。
茜姫花は、亡き父の跡を継いでヤクザ一家の頭となった。
しかし十五の少女に本気でついてくる者は殆ど居らず、片手で足る人数にまで減ってしまう。
身に余る広大な日本家屋に側近である真赭慎十朗と暮らしながら、姫花は稼業を立ち上げた。
『赤ずきんのお使い』
それは、幼い憂さ晴らしから始まる、小さな復讐譚。
◆
白百合と庭薔薇の記憶 ただの野草が庭薔薇になった日。
◆
痴漢冤罪の冤罪 冤罪ビジネスをビジネスに利用した男
◆
友達と姉妹の証明 暴行、恐喝、窃盗罪を犯した三人
prev / next