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ジリリ…朝はやかましいけど昔から世話になっている目覚まし時計で起きる。
今日の起床時刻は、7時。朝方は冷え込んだな‥毛布かけてる。
あとなんとなく腰に圧迫感?を感じて見下ろすと、俺の腰の左側に、もふもふしたでっかい毛玉が毛布から少し飛び出していた。
…いやいやいや、毛玉とかいってんじゃないよ俺。晴だよな、これ晴の頭だよ。そして腰の圧迫感はたぶん、晴が巻き付いてんだ。
大学生にもなって、男とこんなに密着して一晩過ごすことになるとは思わなかったぜ。やべえ、起き上がれない。

「…晴ー」

起きないよな、起きないよなまだ。困ったな。朝飯どうしよ。あんまりケチケチしてないで目玉焼きとウインナーくらいは焼くか。
それで9時からはバイトと。よし。顔を洗いたい。

「ん〜…あ‥恭祐さ、おはよござます」

にょき、と毛布に埋もれてた毛玉が少し出てきた。寝起きなのにまん丸な目をした晴は、自分の腕が俺に絡まってることに気付いて慌てて解放した。

「わあ、あ、すいません」
「いや、いいけど」
「俺いつも、抱き枕と寝てるから‥」
「へえなるほど、抱き枕。どういう形してんの?」
「餃子の形を」

餃子…………

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