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俺には可愛い恋人がいる。男だけど、そんなんどうでもいいくらい好き。名前は柚麻。本人が思っている以上に彼はきっと寂しがり屋、かもしれない。

 俺は昔から、顔について褒められることが人より多かった。と思う。
自分で鏡見て、ああ、なんて美しいんだなんてことにはならないけれど、イケメンだとか言われてからはそうかこういうのがイケメンというのか。ふぅん。へぇ。くらいに考えていた。

ただ、今一つ自分に自信がない所もあるわけで。それはとても人並みに。
わりと顔は良い、だけど最高に本当に格好良かったなら今頃スカウトくらいされてるんじゃないのか?考えすぎ?
女の子が集るってほどでもない。バレンタインにはいくつかチョコを貰えるけど。
今まで付き合ってた回数も人並み。多分。中途半端な自信だった。

「竜也、あの、好き、だよ」

そしたら、可愛い恋人が出来た。名前は柚麻。男だけど、そんなんどうでもいいくらい好き。良い子だし、俺、こんな良い子と好き好き同士になれるんだ。
なんだ、俺ってすごいんじゃん。
自信がついた。

俺ってわりと凄い。
ほら、浮気もできるくらい。いや、浮気ってか遊びか。同じなんだろうけど。

柚麻がくれた自信。
これは間違った自信なのか?

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