06(1/3)
夏休みです。
太陽はもう有り得ないくらいかんかん照りでもう溶けてしまっておかしくないだろう。
いや、しかし、今の俺はまだ溶けてはいけない。
ここで溶けてはいけない。
なぜなら今日は、待ちに待った当活の日であるから!
壁に貼られた紙を見てみる。
クラスが書かれた表があって、当番に来たらその表に○をつけるのだが…
「皆きてねーの…」
まあわかってはいたけど、今日までのところに○は一つもなかった。
そういうもんか。
そばにあった鉛筆で今日のところに○をつけてると、後ろから雅樹の声がした。
「おーい仁〜」
「!、あ」
「よっ。元気してた?」
うわあ雅樹だ!
校舎の方から来たってことはやっぱり部活中だったんだろう。
「まあ、元気だけど」
「あれ、なんか仁、不機嫌?」
「別に、いつもと一緒だろ」
「まあそっか。じゃー行くとするか!」
スタスタ歩き始める雅樹の、数歩うしろをついていく。
なんか俺今の、俺はいつも不機嫌っぽいやつみたいな感じにならなかったかね。
いや、なったよね。
ああ、困るよ。
「やっぱさあ、枯れかけてんのね」
「……まあ誰も来てないみたいだしそりゃそうだろ」
「花好きな仁としてはどうよ、この状況」
「いや別に俺花好きじゃねえし」
「あ、そうだっけ。なんだ」
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