見てはいけない所を見てしまった...と思う。
屋上で悠々と煙を吐き出しているのは先生じゃなくて生徒。ぼんやりと空を見上げながら片手に持つ煙草を吸ったり吐いたりしている異様な光景が信じ難かった


子供とは無縁のものを何故
2才上なだけなのに、一服姿を目撃してしまったことでいっきに遠く感じてしまう
不思議な事にアカギさんが煙草を吸っていても違和感というものは無かった。



「そうかな、遠くないと思う」

黙りこくる俺の横でアカギさんがクククと笑ったからフェンスが軋んだ

「...涯も、顔に痕があるだろ
小学生には似合わない火傷が
同じようなもんだよ、これと」


そう言って持っている煙草を遊ばせる。それで俺の火傷痕を空に描いているように思えた


「割に合わない...」

「クク、なら吸ってみる?」


ボンッと音がする程体中の熱が顔に集まった
本当は小学生じゃないだろって言いたくなるぐらい、仕草も表情も行動も、何もかもが目も当てられないようないかがわしい物に見えてきて

不本意にも顔を赤く染めれば、してやったりと薄く笑うアカギさんに色気を感じてしまう俺は子供なんだろう。やっぱり、遠いんだ


   おまけ→