「馬鹿!こら!アカギ!
なんてもん吸ってんだ!」

ふんだくるように荒く煙草を奪われてアカギは眉をしかめた
やっぱり、と尻ポケットを叩こうとした時に黒沢の持つハイライトの箱を見てその手を途中で止め座り込んだ


「黒沢さんだって吸ってるくせに」

「ア、アカギはまだ小学生だろ!」

「一緒のようなもんなのに」

「いいから諦めなさい!」



アカギの顔がどんどん渋いものになっていってるのは雰囲気で気づいていたがしょうがない。
流石に小学生に煙草はおかしいだろと早々にこの話は終わり!と切り上げた動作をしてみせた


「ほらもう帰って晩ご飯!」

「タバコ屋寄ってくださいよ」

「だから駄目だって....」



澄色になって廃れた住宅街に伸びる凸凹の影は、しなり乾いた地面にゆっくりと焼きついていった