スリッパがバタバタと響く騒がしい音を聞いて玄関に腰かける2人が誰かと振り返った。
それがナマエだとわかればその表情は優しく綻ぶもので
「なんだよナマエ出迎えか?
さすがは俺の女だ」
『銀さんの女じゃないですけど
お帰りなさい2人共...
って重!』
買い出しの品(酒とあてのみ)を持ち上げようとしたナマエに予想以上の重量が襲う。
反動で痛めた腰に悶絶するナマエを見て2人して笑いだした
「いっぱい詰めたからな、
あんま無理するなよ?」
『ぐっ...心配無用っ!』
普段ぐうたらなナマエの珍しい行動に、心配そうに見守る2人に向かって苦し紛れに笑いかければよろよろとコタツの方へ向かった
『おい男共ー!
帝王が帰ってきたぞ帝王ー!
闇に消されたくなかったら
今すぐおこたから出なさい!
すぐ出なさーい!!』
「ああなるほど、やけに
愛想いいなとは思ったけど
そういうことか」
「クク...うまいこと使われ
ちまったなあ
そいじゃのってやるか」
後から続いてきた銀二も「死にたくなかったらこたつから出ろー」とついてきたのもあり
アカギ以外の全員が雀卓さえあげる勢いでこたつの外に出た。
まさに効果は抜群、ナマエの作戦は見事成功したのだ。
銀二と森田がこたつに潜った後、キッチンの方から沢山のおにぎりを持ってきた零と涯もまた
残された幸雄は1人で重い鍋をこたつの方へ持ってきた
「雑煮出来たぞー
ガキじゃあるまいしとっとと
部屋片付けろよ
てゆうかガキは手伝えよ!」
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