「なまえ、大丈夫か」


なまえを休ませる為
地上にあがってすぐの
公園のベンチに座らせる

首からはあの時刺された傷があり
その傷口の様子を覗くよう
桐生は顔を近づけた




「桐生さん・・・」

「ん?どうした、痛いか?」

「いえ・・・」

「今、秋山が薬を買いに
行ってるから、我慢してくれ」



優しい声色でなまえを
安心させようとする桐生に
なまえは眉を歪ませて
顔を俯むかせた



「どうして、聞かないんですか
取り引きの・・・内容のこと・・・」

「過ぎたことだ」




正直、内容なんて興味が無かった

今この隣にいる人を
守れたこと、ただそれだけで・・・






「桐生さん・・・でもひとつだけ
私に謝らせてください・・・」

「・・・なんだ」


なまえは俯いた顔をあげると
切なそうな顔をして微笑んだ


「・・・ようやく用意できたと
思ってたんです・・・でも・・・
間に合いそうにないです・・・」



「!」



その時、桐生は思い出す



描かれた龍の柄

重量感のある高価な金属

数年に一度のビンテージ物

なまえの持っている大金

男との取り引き







なぜ、気付かなかった?


・・・そうか、俺が鈍感だからだ





桐生は、なまえを見て苦笑した



「もうすぐですね・・・誕生、

・・・っ?!」



勢いよく抱き締めたなまえの体は
夜の風に吹かれて冷えてしまっていた

鼓動が高鳴る

この気持ちは、明らかに




―愛だった




「無理しやがって・・・」

「ごめんなさい
こうでもしないと・・・、
振り向いてもらえないと思って・・・」

泣きじゃくるなまえの愛は
あまりにも不器用な形だった




でも、俺が鈍感なら
丁度良いんじゃないだろうか



「・・・好きだ、なまえ」

「っ・・・私もです・・・」






『たった二十歳差よ?』





ただ、年の差だけは
丁度良くはないかもしれないが

二人には年の差など
問題にさえ、なることはないのだった





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※あとがき


その頃、公園を覗く秋山の姿が。


「あらあら、俺といるときより
ロマンチックなムードだこと。

・・・んで、いつ切り出そう・・・」


薬を持っていくタイミングを
伺う秋山だったのであった


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※あとがきのあとがき


ということで、ここまで
読んで頂きありがとうございました!
桐生の長編夢リクエストでした!

構成が全くまとまってない状態で
いきなり書き始めたもので・・・
いつもより酷いような、、、笑
そして今回は桐生視点の夢でした!

ゲームをプレイしているときに
「桐生さんって伏線があっても
それに全く気づかないよなぁ・・・」
なんて思ったことがあったので

え、それ気付かないの?!
と問いかけたくなるような
そんな話にしてみました(笑)

あと、秋山さんの使いやすさ!(笑)
秋山さんにはお世話になりっぱなしです
今度は秋山さんメインの夢も
書けたらいいな・・・


長々とすみませんでした!


4/7 5:03




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