始業式も終わり、HRも終わった。
「ごめん!!一年生勧誘行かなきゃいけなくて」
茜の所属しているバレー部は今ギリギリの状態らしい。一年生を他の部より早く獲得するため今日から勧誘だなんて大変そう。
じゃあ!そう言って走り去る茜に手をふって、私も帰ろう、そう思った時、謙也が無駄に大きい声で、あ!と叫んだ。
「え、なにどうしたの」
「ざいぜん!!」
「は?」
いきなり聞きなれない名前を聞いたら誰でもやるような反応。謙也は何もきいてないけど。
「前話たやん?一個したの生意気な後輩」
「あぁ!その財前くんね」
「そうや、その財前なんやけど会いに行ったらなあかんかった!」
「明日でええやん。」
「いや、今日やないとあかん。いくで!!」
何で私も行かなくちゃいけないのとか何しに行くのとか帰ってるかもしれんやんとかそんなことよりただ謙也の足が早くて、着いて行くのに精一杯だった。
謙也が前言ったとうり、浪速のスピードスターは伊達じゃないね。
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