白石がどこかへ行った後、生徒会で片付けをして、そのまま解散になったから帰ることにした。

「苗字先輩」
「あれ、財前くんや」

ま、苗字先輩って呼ぶの財前くんくらいなんやけど。

「渡辺ちゃんは?」
「あー、なんや部長に用あるらしいですよ」
「そうなんだ」

少しほっとしてしまったのは許してほしい。仲直りしたばかりだし、極力嫉妬は避けたいと思うのは普通だと思う。

「てか先輩生徒会長なんですね」
「うん。そだよ。」
「似合わなすぎて笑いましたわ。」
「私もね、生徒会長になるつもりはなかったんだけどね」

そういって私が生徒会長になったいきさつを話せば、なんやそれ、くすくすと笑いながら財前くんがそういった。
出会ったときより後輩が可愛くて辛い。そんなことを思ったときにはもう校門。

「財前くんどっち?」
「先輩は?」
「質問返しはよくないけど教えてあげるよ。あっち。」
「ん、一緒」

じゃあ行きましょかなんてさらっと言って、財前くんは先に歩き出してしまう。
えっと、これは、一緒に帰ろってことであってるんだろうか。
スタスタと歩いていた財前くんが一瞬止まり、先輩遅いっすわ。そういってまた歩き出してしまった。

「財前くんはやい」

私が悩んでるとも知らずに!生意気だ!
でも少しペースを落としてくれるところは、優しいと言うのかなんなのか。
…しょうがないな、そう呟きながら生意気な後輩の背中を追った。
|

←目次へ
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -