突然なんだけれど、四天宝寺は運動部と文化系の部活二つ掛け持ちしなきゃいけないなんていうルールがある。
運動が苦手な私は、生徒会に入るから!そういって先生を説得して、二年生からは部活に所属するという約束つきでなんとか文化系の部活のみ所属ですんでいた。

「苗字お前今年部活どうするんだ」

財前くんや渡辺ちゃんが入ってくる少し前、先生にそんな話をされたとき、正直その約束を忘れていた私は、非常に焦った。

「えーっと…考えときます」
「いや、今決めなさい」
「ええぇ、」

そのまま逃げきれれば先生も忘れるんじゃないかと思ったのに、去年のことがあるからか先生もなかなかしつこい。

うんうん唸りながら考えて、私が出した結論。それは

『生徒会長になれたら運動部は免除してください』

そんなふざけた理由だった。いくら四天宝寺の校風でもそれは無理だろうか、そう思ったけれど、校長が、おもしろいやないか!生徒会長になれたら免除でええで。そうあっさり認めてくれて、必死こいた私は見事生徒会長の座を手に入れた。
テニス部メンバーのお陰で票が入ったことや生徒会長に立候補する三年が一人で、しかも嫌々だったことでなんとかなれた訳だけど。

「今日一年生の前で話さなあかんてわかってる?」
「えっ?!」

副会長ちゃんから驚きの一言だ。今日、つまり新入生歓迎お笑い祭の件だろう。そこで私がしゃべる?え?聞いてない。

「このまえ言ったやん、生徒会長の挨拶があるって。」
「嘘だ!聞いてない!」
「とにかくそろそろ体育館行くよー」
「何も考えてないんだけど」
「名前ならなんとかなるなる」
「ならないから!!」

こんなことになるくらいなら生徒会長じゃなく運動部で幽霊部員をやったほうがよかったんじゃないかなんて。

後悔先にたたずとはこのことなんだろう。
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