魔女の噂はイタリアを中心にフランス、イギリス周辺で広まっているようだった。


「残念ながら穏健派は極少数、過激派は多い。ヴァリアーだけでは到底対処しきれないだろう。日本の子らや同盟先にも助力してもらわねばなるまい」


「書状を出しますか?」


「ああ。そうしてくれ」


ここ本部では現在穏健派との示談を進めているところであるが、過激派はその数よりも圧倒的に多く、此方でも何らかの措置を取る必要がある。幸いにしてボンゴレと同盟を結ぶファミリーは世界中に多い。9代目は強大な所から中小まで50も参戦してくれればこの件については問題ないだろうと踏んでいる。
ただ、その程度の規模での共闘ではまた秩序に乱れが発生するリスクも大きいため、本部からは特に友好としているファミリーを厳選して書状を出した。






−−−−−−−−−−



「あの老耄が、余計な真似しやがって。他の助けなんざ必要ねぇ」



「う"お"ぉい!このデカさにこの数の組織じゃウチでも人手不足だぁ!奇襲でも受けてみろ、幾ら何でも一夜にして壊滅は免れねぇ。明らかに無謀「ぶはっ!!自棄に必死だな、カス。あの魔女に絆されたか」


「っ!!テメーまで馬鹿言ってんじゃねぇぞぉ!!彼奴はヴァリアーでも役に立つ、そう踏んでるだけだぁ!」


「だったら今回の件はあの女一人にやらせろ。死なねぇんだろうが」


「っ!!!!クソッ!!兎に角任務の遂行は100%になるように行うべきだそれがウチのルールだからなぁ!っ!!ぁがっ!!!」



「…5だ。それ以上は許さねぇ」





その日黄昏時に使者からヴァリアーへ届いたのは同盟ファミリーの参戦を要請したと告げる書状だった。現在把握出来ているだけでも魔女を狙うファミリーは20程度あり、その下に弱小ファミリーが同盟を組んでいると考えればその数100はくだらない。
そんな中いくら任務遂行率100%とは言えヴァリアーだけで過激派を排除するのは無謀でしかないと言えよう。穏健派との示談が完了した後本部からの増援が来るとしてもそれまでの繋ぎをするには少々相手方の手数が多い。

それを踏まえ、他者の手を借りる事へ拒否を示すザンザスにスクアーロは説得を試みる。スクアーロがムキになっていると捉えたザンザスによってテーブルの角と軽く挨拶をしたものの、最終的に5つの組織までは彼からも許可が下りたのだった。



「奇襲が来る前に終わらせろ」



「…っ!今夜だぁ、無線機壊すんじゃねぇぞぉ!!!」













−−−−−−−−−−












「先ずはリストの過激派の中でも最も有力なロツィオーネから行く。クイーアーもでけぇがあれはイギリスだぁ。今回の目的は対象の暗殺じゃねぇ同盟ファミリー諸共壊滅させる事だ、その為には少しばかり時間がかかる。

故にだぁ、組織のデカさも重要だが近いとこから潰してく必要がある」



出発に先立ち、趣旨と配置を説明していく。魔女を守る為の紛争という事でザンザスは余り乗り気ではないのでスクアーロの指揮の元動きを確認し、それぞれ行動を開始した。




「あんたはオレと来い、上層の奴らと顔合わせだぁ」


何処か不機嫌な彼はアナスタシアに一緒に来るように言う。何故睨まれたのかも分からないままアナスタシアはスクアーロに従い迎えの車に乗り込んだ。









ー陰天ー


暗く翳る気持ちはあの雲に覆われた空のようだ。





2015.09.27 Yuz
| ≫
- 3 -





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -