・○○しないと出れない部屋。
(巷で有名な出れない部屋ネタ。笑)
・婚約者夢主の場合。
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『………』
「………」
『な、なんだコレは』
ふと気付けば見知らぬ部屋でコンラッドと二人っきり。
「キスしないと出られないみたいですね」
『ドアは』
「開きません」
『窓は……ないな』
「どうします?」
『なにがだ』
「俺からします?――それともサクラから?」
噂の〜しないと出られない部屋。都市伝説程度に、村田から聞き及んでおったが……まさか己が来るはめになるとは思わなんだ。
ユーリと共に、血盟城の謎に喜々として捜索をしようとしていた矢先だった。自身が部屋から出られなくなるのは計算外。
困惑する私を置いて、涼しい顔でこてんと首を傾げる我が婚約者を見上げた。心なしか浮かぶ笑顔がうさんくさい。――いや、先ほどこやつなんと申した?確かキスをしないと……って!
「俺としてはサクラからして欲しいですが」
『待て待て。貴様、』
「なんです。キスくらい普段からしてるでしょう」
『こう…今からするぞってな雰囲気がな、……照れるのだ』
「いつになっても慣れませんねぇ。まぁそれがサクラの長所なので、…俺をいい具合に煽ってくれますから、俺としてはそのままでいて欲しいな」
『なんの話をしている。っと言うか貴様、どこを見てる』
既に唇をロックオンしてるコンラッドに焦る。頬でいいのではないか?!
私の叫びを無視した強引なコンラッドの頭が、問答無用で近付いて――…。
「ごちそうさま」
『………』
カチャリと鍵が開く音を訊きながら、どっと疲れが押し寄せた。
「おや?もっと深いのがお望みでした?」
見せつけるようにゆったりと、己の唇に触れたコンラッドを恨めし気に見つめて。赤くなったであろう両頬をひっそりと隠したのであった。
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コンラッドはチャンスを逃さない男だと思うので。
期待を裏切らず深い方をしてたらいいなあ〜(笑)
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