○○しないと出れない部屋
・○○しないと出れない部屋。
(巷で有名な出れない部屋ネタ。笑)

・婚約者夢主の場合。

 □□□



『………』

「………」

『な、なんだコレは』


ふと気付けば見知らぬ部屋でコンラッドと二人っきり。


「キスしないと出られないみたいですね」

『ドアは』

「開きません」

『窓は……ないな』

「どうします?」

『なにがだ』

「俺からします?――それともサクラから?」


噂の〜しないと出られない部屋。都市伝説程度に、村田から聞き及んでおったが……まさか己が来るはめになるとは思わなんだ。

ユーリと共に、血盟城の謎に喜々として捜索をしようとしていた矢先だった。自身が部屋から出られなくなるのは計算外。

困惑する私を置いて、涼しい顔でこてんと首を傾げる我が婚約者を見上げた。心なしか浮かぶ笑顔がうさんくさい。――いや、先ほどこやつなんと申した?確かキスをしないと……って!


「俺としてはサクラからして欲しいですが」

『待て待て。貴様、』

「なんです。キスくらい普段からしてるでしょう」

『こう…今からするぞってな雰囲気がな、……照れるのだ』

「いつになっても慣れませんねぇ。まぁそれがサクラの長所なので、…俺をいい具合に煽ってくれますから、俺としてはそのままでいて欲しいな」

『なんの話をしている。っと言うか貴様、どこを見てる』


既に唇をロックオンしてるコンラッドに焦る。頬でいいのではないか?!

私の叫びを無視した強引なコンラッドの頭が、問答無用で近付いて――…。


「ごちそうさま」

『………』


カチャリと鍵が開く音を訊きながら、どっと疲れが押し寄せた。


「おや?もっと深いのがお望みでした?」


見せつけるようにゆったりと、己の唇に触れたコンラッドを恨めし気に見つめて。赤くなったであろう両頬をひっそりと隠したのであった。



 □□□

コンラッドはチャンスを逃さない男だと思うので。
期待を裏切らず深い方をしてたらいいなあ〜(笑)


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