第一印象は大切
「僕は沖田総「うん、さっき聞いたから。そこまで記憶力悪くないから」
何回自己紹介すれば気が済むんだこの男は全く。
「…………オレは土方歳三だ」
「うっわーやる気ない!そんなにいやかね!そんなに私の事が嫌いかね!」
じーーっとめーちゃんに視線を送ってたら渋々名前言っためーちゃんもとい土方氏。眉間にしわよってるしさ。
「斎藤一」
「う、うん。あのさ別に何もしないからさそんな睨まないで。ガラスのハートがブロークンしてしまうわ!!」
「はぁと?なんだそれは」
「あ、ヤベェ。何この人可愛い。ごめんね。絶対こいつやな奴だとか思っててごめんね。君はいい人だ。うん。だってなんか可愛いもの!!」
良くあるけどね!平仮名発音は可愛いっていうけどね!こんなに破壊力のあるもんだとは思ってもみませんでした!一つ勉強になりましたな。
男に可愛いなどというな!とかなんとか騒いでる斎藤さんを軽やかにスルーして違う人が自己紹介を始めた。というか騒ぎ始めた。
「俺は永倉新八だ!いやー女だったんだな!俺はてっきり糞生意気な餓鬼がきたのかと」
「糞生意気で悪かったなコノヤロー」
「新八っつぁん、うるさい!あ、俺は藤堂平「よろしくなチビー」平助!!」
「うるさいなーさっきお前私の事ちっちゃいっていったろ。え?根に持つタイプだからな。女はネチネチ根に持つからな。気をつけろよ平助もといチビ」
「なんなんだよお前!」
「おいおい平助、女相手に怒鳴るんじゃねぇよ」
あ、なんかエロい。一瞬で分かるぞこいつエロい。だってなんかあれだもの。雰囲気が違うもの。薄桜鬼というものを全く知らない私でも断言できるよ!こいつ絶対エロい!
「俺は原田左之助。好きに呼んでいいぜ悠」
「え?腹田?腹だしてるからですか?名字にあやかってお腹だしてるんですか?風邪ひきますよ」
「あはははは!!やっぱり君面白いね!!」
なんか沖田さんが爆笑してらっしゃる。何故に。
「私は山南敬助と申します。宜しくお願いしますね」
「おおおおうふ!ももちろんっす!」
「おやおや、どうしたのですか?そんなに固くならなくてもいいのですよ」
「え、え、あ、はい!!固く何てなってませんよ!」
「そうですか。ところで一つお願いをしても宜しいですか?」
「よよ、よろしいんじゃないでしょうか!」
「山南さん、悠ちゃんが怖がってるじゃないですか」
「あっ!テメェ沖田コノヤロー!そんな本当のこと言ったら山南様がお怒りになるだろ!!嫌だぞ!私は死ぬのだけは嫌だぞ!」
「君の方が酷いこと言ってる気がするけどね」
「あ、ヤベ」
ギギギギと人形のように後ろを振り向いているとものすごくいい笑顔の山南さん。うん、今日も笑顔が素敵ですね。今日初めて会ったばっかりだけど
「その袋の中身を見せていただきたいのですが……」
何やら不思議なものが入っているようですので。といい笑顔。うん、いい笑顔。てかどうして不思議なものとか言えるんだこの人は。勝手に見たのか?そうなんだな!!
「女の子の荷物勝手に漁るなんて最低だな土方!」
「そうですよ土方さん。悠ちゃんに謝ってください」
「何で俺に言うんだよ!!」
「だって山南さん怖いんだもん。仕方ないじゃないか。でも土方さんになんか言うとマフく…じゃなくて斎藤さんが怖いね」
「大丈夫だよ悠ちゃん。今度土方さんの弱点教えてあげるからね」
「マジでか!!」
「総司!!!!!」
わーい!鬼のふくちょーがご乱心だー!!てあれ?なんか忘れてないか?なんか大事なこと忘れてる気がするぜ?
「おおっとやべやべ。山南さんのお願い忘れるところだったぜ」
そう言って、鞄から荷物を出していく。なんかこれあれだね。身体検査みたいだね。なんかほら、爆発物持ってんじゃねーのお前。みたいな。
んでもって、入ってたのが、お菓子、携帯、お菓子、教科書(笑)、お菓子、弁当箱(空)、財布、お菓子、お菓子、お菓子。
うむうむ、今日も正常ですな。
「これは……」
山南さんが手に取ったのは、MYお菓子。ほかのあの不良連中も振ったり、持ち上げてみたりしている。よし、もし握りつぶそうとしたら殴ろう。
自分の身なんて顧みずに殴ろう。
「あーそれはですねー私の命です」
「何!?」
「え?」
何か知らんが後ろの斎藤さんがものすごい反応したぞ。恐ろしいな。急に叫び声を上げないでくれびっくりするじゃないか。
そして、何故か私の肩をガッと掴んだ。
「何故そんなものを不用意に他人に障らせるんだ!!」
「え、えっとぉ……」
何でだろうか。この人ものすごぉく面倒な人なんじゃないか。だって単純そうだもの。頭よさそうだけど肝心なところ抜けてそうだもの。
「み、未来の人間ってこんなものに命かけてんのか…」
おーいチビそれは語弊だぞー結構意味が違ってくるぞ
それとこんなものってどういう意味だコノヤロー
「いいか、それほど大事なものならば肌身離さず持っているんだ」
「いや、荷物没収したのは土方さんじゃないっすか」
「ふ、副長…」
「…………危険なものはねェようだな」
「無いっすねー」
そういうと、荷物を持ってていいって言われた。MYバックが返ってきた時点で返してもらったんだと思ってた私はびっくりしました。
「あーうまうま」
「命ほど大事なものをそう簡単に消費するんじゃない!!」
「あぁ!斎藤さん返して!ミーのミーの命が!!」
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