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日付は変わりまして次の日の朝でございます。
・・・私は誰に向かって説明してるんだよ。
これじゃただの危ない人だよ。
「楓ーー!!まだ起きなくていいのー!」
「まだいいー」
「楓ーー!!まだ起きなくていいのー!!」
「まだいいー」
「楓ーー!!彼氏さんが迎えに着たわよーー!!」
「新聞ならいらないって言っといてー」
・・・ん?
彼氏さん?
誰!?彼氏さんって誰!?
生まれてこの方女として見られたことなんてなくて男子に野生児やら男女やら、男の中の男って言われた私に!?
彼氏さん!?
そうか!これは夢だ!夢なんだから現実にありえないことが起こっても不思議じゃないよね!!
私に彼氏いたって不思議じゃないよね!
「そうねぇ、でもそうすると貴方に彼氏ができるのはありえないってことになるわよ?」
「お母さん!?」
「楓?母上様でしょ?」
「上様、彼氏さんは何処!?」
「下にいるわよ。全く貴方も隅に置けないわねぇ。男友達は多いけど彼氏ができたとか聞かなかったのに。あんなにカッコいい男の子連れてくるなんて!」
いえ、連れてきてはおりませんけども。
「ありがとう!母さん!夢の中でも変わらないね!!」
そう言ってドタドタと階段を駆け下りてリビングに行く。
そしたらそこには、椅子に腰掛けてコーヒー飲んでる・・・
「おい、何やってんだよ雲雀」
「あれ?いつの間に呼び捨て?」
私の、私のささやかな夢をぶち壊しやがって!!
「何で迎えに来てんですか!?何で彼氏だって嘘ついたんですぁ!?私の、私の喜んだ時間を返せーーー!!」
「今日は風紀委員会の遅刻者取締りの日だから。こういうイベントを起こすのは大体彼氏だと思ったから」
おい、登場人物がイベントとか言うなよ。
まぁそうだね。幼馴染って訳でもないしー(こんなのと幼馴染だったらきっとストレスではげてるしー)
同じ家に住むことになったって訳でもないしー(こんなのと同じ家にいたらきっとストレスではげるしー)
「さっきからいちいち失礼だよね。しかも君ドンだけハゲハゲ言ってるの?そこでないてる奴いるよ」
あ、ゴメンよ父ちゃん。
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